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198 人中、181人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
ジャイアンツ・ファンのテリー伊藤に、一ドラゴンズ・ファンとして感謝します。,
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レビュー対象商品: なぜ日本人は落合博満が嫌いか? (角川oneテーマ21) (新書)
煽情的なタイトルである。でも、書かれている内容は、「落合力」の凄さと、現代の日本人の通常の感覚からかけ離れた落合の感性、論理を逆手に取って、今を生きる我々に欠けているものを明示するユニークな読み物となっている。本書で紹介されている落合発言の数々は、どれも中日ファンの間ではお馴染みのもので目新しい事ではない。でも、改めてその言説を追い、分析、検証されていくと、その言葉のひとつひとつが明晰で理に適った様に思えてくる。 著者の主観や思い入れ過多の部分も多いと思うが、「落合博満」と言うフィルターを通しての現代日本人論となっているのも面白い。 で、以下は一ドラゴンズ・ファンとしての感想。 2003年オフ前監督の山田久志が球団を去り、10名以上の候補者の中から(その殆どが変わり映えしない中日OBだったが)、次期監督として落合博満が選ばれた時、私の廻りの中日ファンからは賛否両論が渦巻いた。 マンネリ化した体制から新たな血を導入すると言う球団の覚悟が窺えたが、それにしても落合とは突拍子もないなとの声がある一方で、川上、広岡、森と言った過去の名監督の影響を受け、その野球理論について定評があったのは確かで、言わば、期待と不安が相半ばする状況で、落合は監督に就任した。 あれから6年、本書でも書かれている通り、落合は紛れもなく球団史上最高の名将となった。著者が激賞するように、落合が稀代の傑物であるかどうか、それは、野球が、“相手より点を取り、勝利する事が第1な競技”である以上、その「結果」を見れば、答えは明白だ。 著者は、落合は情緒的ではないと言うが、2006年東京ドームでのリーグ優勝を決めた試合(タイロン・ウッズが延長で満塁ホームランを打ったあの試合です)での、優勝監督インタビューで見せた感極まった涙と選手たちへの賛辞は、間違いなく情緒的、人間らしさが垣間見えた出来事として感動的であって、私など、あれ以来、どんなに叩かれても、落合監督を支持している(笑)。 個人的に、今年の落合采配で注目しているのが、2年掛かりでの“アライバ”コンバート。球界最高の鉄壁の二遊間コンビのポジションを敢えて切り替えたその判断がどう出るのか、楽しみだ。 (追記) 2011年10月18日、ドラゴンズは球団史上初の連覇を達成した。 しかし、御存じの通り、球団は既に落合との来期の監督契約をしないとの決定を9月22日に発表、これ以上の実績は望めないであろうと思えるほどの功績者を事実上解任した。 球団のプレス発表によれば、その功績と成果は絶大であるものの、「ファン(それを言うなら、マスコミだろう)へのサービス精神の欠如と勝てども勝てども増えない、むしろ減少の一途を辿っている観客動員数と、それに起因する球団の赤字増大」が主な原因だと言う。 更に、落合の勝利至上主義から来る中日OBへの冷遇等も裏の理由として挙げられている。 昨年末、名古屋の歓楽街栄の飲み屋で、中日OBの某スター選手(敢えて名前は秘すが、地元TV局にも度々出演するかっての有名選手)と偶然出くわし色々話をさせて貰ったのだが、落合への絶賛を口にした私に対し、返って来た言葉は実に辛辣、これだけ結果を出しているのは落合の力との見解を述べても、それがどうしたの?結果を出しているのは選手の力でしょと、ぬべもない返答で、本当に、落合はOBたちから嫌われているんだと実感した。 しかしながら、確かに、フィールドで闘ってるのは選手たちなのではあるが、それを束ね、指揮を取るのは、当然監督の役割。過分に私憤もあったと思うが、残念な思いがしたものだ。 改めて言うまでもない事だが、プロ野球の醍醐味は、卓抜したプロの技であり、勝負の駆け引きであり、ファンを鼓舞する、感動を与える一投一打だと思う。 でも、その前提として、やはり、勝負事は勝たねばいけないだろう。 プロ野球の監督としての目標や成果は優勝する事であり、勝つ事こそが最大のファンサービスであると常日頃公言していた落合こそ、真の意味のプロフェッショナルである。 ファンに媚を売る、マスコミへのリップサービスを増やす事で観客の動員数が本当に増えるのか? 監督は勝利によってその責任を果たす。観客動員が伸びないのは、その地域での人気単独球団である事にあぐらをかいていたフロント、球団の営業戦略や集客の為の真摯なマーケティングとアイディアの欠如にこそ大きな問題があると何故思わないのか、実に不思議である。 勝ち続けた事への運命の皮肉か、首脳陣や選手たちの年俸が急騰し、それも球団経営を圧迫している。加えて、深刻な新聞離れから来る親会社のお家事情もあるのだろう。 それにしても、だ。結果的に契約更新は出来ないにしても、最高の功労者にたいして、もう少しリスペクトの念があっても良いんじゃないか。 一部報道されているような球団社長の軽率かつ不謹慎な行動など、もし事実なら、何をか言わんや、である。 実に、淋しい、悲しい、情けない話だ。 と同時に、テリー伊藤による本書は、皮肉な事に、いみじくも、落合退団を機に、改めて、その「現代日本人論」を実証させる結果となってしまった。 (2011.10.20)
40 人中、37人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
なぜ中日球団は落合博満が嫌いか?,
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レビュー対象商品: なぜ日本人は落合博満が嫌いか? (角川oneテーマ21) (新書)
中日は親会社である中日新聞の販売戦略で、浜松、豊橋、岐阜など、東海地区の地方都市で試合が開催される。地元企業などが中心となり、入場券などを購入する代わりに、激励会などのイベントへの出席要請がある。 現楽天の星野仙一氏ら歴代監督は、そうした役割もきっちりと果たしてきた。 しかし、落合監督は「勝つことが一番のファンサービス」と公言。 シーズン中、政財界や有力スポンサーとの会合や宴席に出席することは皆無に近い。 次期監督は70歳の高木守道氏。県岐阜商高出身で、中日一筋の現OB会長。 地元との絆を再構築するために、中日球団にとっては打って付けともいえる存在。 落合はオーナーとの約束どおり「勝つチーム」を作った、真のプロフェッショナル。 しかし、今の中日球団が求めているのは、(優勝する以前に)政財界や有力スポンサーとの関係を良好に構築する役割が担える監督。 坂井社長をめぐっては、9月6日の対巨人戦で中日が敗れた後、 「関係者通路で坂井社長がガッツポーズをした」と複数のスポーツ紙が報じている。 日本人は落合博満が嫌いか?それとも、中日球団が嫌いか? 今回の解任劇で本書はそれを問題提起している。 落合には日本一を獲ってもらい、この問題提起を国民的な議論にまで昇華させることを僕は強く望む。
95 人中、84人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
落合博満というフィルターから見た現代日本,
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レビュー対象商品: なぜ日本人は落合博満が嫌いか? (角川oneテーマ21) (新書)
そもそも何故日本人は落合が嫌いなのか。テリーによれば日本人が幼稚だからである。誰もがあらゆるものに分かりやすさを求める昨今の風潮にあって、落合のように多くを語らず、世間を見下し、それでいながらちゃんと結果を出してく有言実行の天才は、右も左も縦も横もみんな我に同じという文化的土壌を持った日本人にはどうしても気に食わないのである。それは日本人が政治家に親しみやすさと庶民感覚を理想像として求める態度を見れば分かることでもあるが、一国のリーダーが我々の同じレベルでモノを見て考えていられたらそれは困ることであって、庶民の我々なんかよりも5歩も10歩も先を見ていてもらわにゃ困るのである。それでいながら何かあればリーダーシップがないだの、頼りがいがないだのと手前勝手なことをほざくわけであるが、それで折れてしまうのが今の政治家なのである。政治家も協調性と同調圧力の国でエリートとしてうまくやってきた類の連中なわけで、どうやれば嫌われないかは分かっても、どんな批判を浴びても自分の意志を貫き通す意地はないのだ。そこで落合なのである。結局、落合には今の日本人に欠けているもの全てが備わっているのである。それは嫌われても自分を貫き通す覚悟と自分のことは自分で責任を取る覚悟。そして自分の身を切る冷徹さである。これは優れたリーダーには必ず必要な要素であるはずなのに、こういった人物を日本人はことのほか嫌うのである。まったく困ったもんである。
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