著者はこの著作を10年以上前に書いているが、驚くほど今日の日本社会のありようを的確に予想している。その原因を自らの研究履歴やイギリスからの眼差しによって克明に描き出している。本書と共に、是非読んでみたい本も何冊か推奨できる。最近の新書ではあるが、戸堂康之『途上国化する日本』日経プレミアシリーズ、2010年や、波頭亮『成熟日本への進路』ちくま新書、2010年 を読むと、今後の2010年代日本の展望もしやすくなるであろう。森嶋先生は、奥さまのご配慮により、京都の成徳中学校跡地にできている、大学院大学に研究資料をご寄贈されている。すべての日本人に、森嶋文庫の存在を心強く受け止めてほしいと思うと同時に、特にこれからの世代が真剣にこのくにの未来を構想するのにはうってつけの内容である。大学生、高校生などの世代には特に一読をおススメしたいものである。