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なぜ宝塚歌劇の男役はカッコイイのか 観客を魅了する「男役」はこうして創られる
 
 

なぜ宝塚歌劇の男役はカッコイイのか 観客を魅了する「男役」はこうして創られる [単行本(ソフトカバー)]

中本 千晶 , 牧 彩子
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (1 カスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

世界で唯一、タカラヅカにしか存在しない「男役」。ファンの心を虜にする、あのカッコ良さ、ゆるぎない存在感はどうやって創り上げられてきたのか? 本書では、ひとりの女性がどうやって「男役」になっていくのかのみならず、タカラヅカ100年の歴史のなかで「男役」の地位がいかにして確立してきたかを探ります。2014年に100周年を迎える宝塚歌劇団、「男役」とはいわば100年かけて創られた芸術品ともいえます。「男役」という切り口から、タカラヅカの「伝統」と「変化」をたどる1冊です。

内容(「BOOK」データベースより)

男役読本。タカラヅカ100年の「伝統」と「変化」をたどる1冊。

登録情報

  • 単行本(ソフトカバー): 227ページ
  • 出版社: 東京堂出版 (2011/10/11)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4490207492
  • ISBN-13: 978-4490207491
  • 発売日: 2011/10/11
  • 商品の寸法: 18.8 x 13 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (1 カスタマーレビュー)
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宝塚歌劇を語らせて今ピカ一の著者によるヅカ本三作め。前の『宝塚読本』『なぜ宝塚歌劇に客は押し寄せるのか』は「宝塚の正しい鑑賞法?」、「宝塚のどこをどう見たら激しくおもしろいのか」といった分野を自身の体験を踏まえて展開して突き詰めていたが、今回はズバリ「歴史」からの分析だった。

考えてみれば宝塚歌劇が始まってからもうじき堂々の100年。歌舞伎や文楽といった先行芸能の100年目がこんなに深く広く享受されていたか愛されていたか、はなはだうといのだが、ひょっとしてヅカのこの長くて熱い盛り上がりぶりは、日本文化史上の快挙なのではないか。だからその時に居合わせたこと、それを知ることは大いに価値があると自分は考えて、かつて無理矢理宝塚にアプローチしたことがある。

だが男にとって宝塚というモンスターを理解するのは至難の業である。熱狂的な母娘代々のファン層、スミレコード、日比谷にたむろする不可解なおばちゃん軍団……知的興味だけでこんな無文字世界に飛び込めるものか。そんな私にとって、この著者は地獄で仏に出会ったようにありがたい存在なのだ。最初に読んだ『宝塚読本』は実際何の抵抗もなく読めたし、その直後に生まれて初めて観たステージは何ともなつかしくおかしくワクワクして、元気が充満する思いだった。そう、この著者のおかげでオヤジながら人十倍ヅカを楽しむことができたのだ。まったく男子の本懐とも言える。

宝塚歌劇の歴史に関する著作は関係者・ファン・OGなどからいくつも出ている。けれど、この著者の持ち味はそれらとは一線を画している。見巧者を気取るわけでも事情通をひけらかすわけでもない。ましてやラインダンスに並んだわけでもない(だろうと思う)。この本で引用されている歴史資料も、どれもかつて公開されたものばかりだ。

これは前2作とも共通しているところだけれど、ひとことで言うと、この著者の分析力が大きな魅力になっているのだ。とかく暑苦しいファン心理の発露や非論理的で乙女チックな観点は、第三者、特に男性読者がもっとも敬遠したがるもの。ところがこの著者の提示したテーマの元に見せる資料と、それへの分析力は、いわゆるヅカファンからはかけ離れた嗜好を持つ男性読者をも納得させ、うならせずにはおかない。

本書で今回著者から教えてもらって最もインパクトがあったのは、現在の宝塚のスタアシステムが古いものではなく(といっても宝塚の歴史の長さと比較してだが)、しかも形式化がやや硬直化へと進行しているのではないかという分析だ。ここまで確認するためには、確かに原初の少女歌劇発祥から時代を追って整理しなければならない。そして実際に、様々な時代に様々なシステムが存在したことがわかった。これはファンだけでなく、歌劇団にとっても非常に大きな収穫なのではないか。ぜひ関係者にも読んでほしい貴重な一冊だ。
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