著者は、ペルーのフジモリ元大統領を日本でかくまったことが報道された熱心なクリスチャン作家です。私は曽野氏の小説は読んだことはないのですが、最近、彼女が書いたエッセイ「老いの才覚」がベストセラーになったことで、書店の店頭でたまたま見かけた本書を読んでみました。
本書は、2005年10月に出版された「「受ける」より「与える」ほうが幸いである」に追記し、再編集して文庫として出版された本だそうです。
目次の主なタイトルを上げると、なぜ日本人は駆け引きが下手なのか、人前で妻を褒められるか、平和は善人の間には生まれない、奉仕活動はしたことがない人ほど反対する、必要悪は善か悪か、子供に迎合する社会、教育の基本ルールとは、「したくないこと」をする、凧が高く飛べるのは、などが収められています。
タイトル通りの文章はないのですが、一番近いものとしては、幼児性とは、について書かれている部分でしょう。「不純にもいろいろある。不純というと一つの概念しか考えないのが、幼児性なのである。」などなど、曽野氏のセンスある文章が並んでいます。
現代の文化人とはひと味違ったピリリとする倫理観に基づくかなり渋めの意見も多い書ですが、一読の価値はあると思います。