登録情報
|
民としての「アイデンティティーの喪失」であると指摘 している。ローマ帝国は経済的に最盛期を迎える一方で、風紀が乱れ、政治が腐敗したことで、「質実剛健」なロ ーマ人気質が失われ衰退していったが、ビザンティン帝 国は新しい変化に対しても、常に「ビザンティン固有の
もの」を見失わなかったがために西ローマ帝国滅亡後も1000年の命脈を保ったと述べている。そして日本につい ても、明治維新の指導者が抱いていた「日本国民として のアイデンティティー」を意識し直し、伝統と歴史を重 んじるという気風が保持できるなら、混迷と衰退は回避 され必ずや「再生」すると論じている。
衰亡論というと堅苦いテーマだと思われがちだが、本 書は文明論としての専門レベルを維持しつつ、私のよう な一般読者でも興味を持って読めるようわかり易くコン パクトにまとめられており是非一読されたい。
|