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なぜ君は絶望と闘えたのか―本村洋の3300日 (新潮文庫 か 41-2)
 
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なぜ君は絶望と闘えたのか―本村洋の3300日 (新潮文庫 か 41-2) [文庫]

門田 隆将
5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (24件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

1999年4月、山口県光市で23歳の主婦と生後11カ月の幼児が18歳少年・Fに 惨殺された。たった一人残された夫・本村洋は、少年法によって二重三重に守られた犯 人Fに果てしない闘いを挑んでいく。少年法を前に思考停止に陥ったマスコミや、相場 主義・前例主義によって形骸化した司法の世界など、本村の前には想像もできなかった 厚い壁が次々と立ちはだかった。絶望に打ちひしがれ辞表を出す本村に、上司は「労働 も納税もしない人間が社会に訴えてもそれはただの負け犬の遠吠えだ。君は社会人たり なさい」と説き、裁判で敗れた検事は「たとえ100回負けても101回目をやる」と 語りかけるなど、さまざまな人たちが、絶望の淵を彷徨う本村を支えていく。日本の司 法を大変革させることになる歴史的な光市母子殺害事件の陰で展開された知られざる人 間ドラマ。9年間にわたって事件を追いつづけたジャーナリスト門田隆将が差し戻し控 訴審判決の翌朝、広島拘置所で犯人Fから吐露された意外な言葉とは――。2010年 秋放送、WOWOW「ドラマWスペシャル」(江口洋介主演)の原作にもなった感動ノンフィ クション。

内容(「BOOK」データベースより)

1999年、山口県光市で、23歳の主婦と生後11カ月の乳児が惨殺された。犯人は少年法に守られた18歳。一人残された夫である本村洋は、妻子の名誉のため、正義のため、絶望の淵から立ち上がって司法の壁に挑む。そして、彼の周囲には、孤高の闘いを支える人々がいた。その果てに彼が手にしたものとは何だったのか。9年に及ぶ綿密な取材が明らかにする一人の青年の苦闘の軌跡。

登録情報

  • 文庫: 348ページ
  • 出版社: 新潮社 (2010/8/28)
  • ISBN-10: 4101231427
  • ISBN-13: 978-4101231426
  • 発売日: 2010/8/28
  • 商品の寸法: 15.4 x 10.6 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (24件のカスタマーレビュー)
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103 人中、99人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By Tochitli トップ500レビュアー
形式:文庫
世の中に衝撃を与えた「光市母子殺害事件」についての一冊である。
我々は報道を通じて、事件を知り、そして被害者の無念を感じ、司法の限界を思い知らされ、少年法や死刑制度に対して考える機会を与えられた。

幸せな家族が一瞬で不幸のどん底に落とされる。
大病を患い、人生に夢や希望を持つ事を半ば諦めていた青年が1人の女性と出会い
学生結婚。そして授かった命。幸せはある日突然とある未成年によって破壊される。

青年は戦い続ける。当初は警察の耐え難い取調べやマスコミの好奇にさらされ、犯人逮捕の後は少年法の壁に打ちのめされる。
しかし彼は戦いをやめなかった。その姿がテレビで映されるたびに我々の中に青年に対する応援の気持ちそして少年が友人に送った手紙が公開されるにあたり、少年に対する怒りがわいてきた。

報道によって、世論や法律が動かされたのも事実である。
我々が見ていたのは理路整然と闘う本村さんと荒唐無稽な言い訳で逃げようとする加害者という構図のみである。
しかし、捜査関係者(警察や検察)がまさしくほぞをかむ思いで捜査を続けてきた事や彼らの中の怒り、「永山基準」にしばられ自分の感情と反する判決を出さざるを得なかった高等裁判所判事の葛藤)、又被告に対し「万死に値する、死んでほしい」と発した言葉は単純な復讐心のみではなかった、というのが
この本を通じて伝わってきた。

とくに印象的だったのは、本村さんがアメリカの死刑囚を訪ね、死刑制度について考え、迷うところ、そしてラストの著者による被告人のインタビューである。
被告の心も本村さんと向き合う事によって変化があった、そして罪を認識してきているのではないか、そのように感じた。

著者は弁護人にもコンタクトをとろうとしたとは思うが、それは拒否されたのだろう、弁護団については表面的な筆致に留まったものの、彼らの中での混乱は伝わってきた。

この事件が確定(最高裁判決)するにはあと数年かかるだろう。
しかしこの事件は多くの人にさまざまな事を考えさせた。
本村さんの無念はどんな判決が出ても癒されず、心が晴れることはないだろう。

この本を読んで何度も涙した。なんでもない第三者の私ですら目をそむけたくなる事件であった。
それでも読んで、色々考え、司法の矛盾点に目を見ける機会を与えてくれた本であった。
このレビューは参考になりましたか?
73 人中、69人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
本村洋に脱帽 2011/4/24
形式:文庫
本書は内容が内容だけに涙は覚悟していたが、それでも涙腺は緩みっぱなしだった。

本村洋を最初にテレビで見たのは2000年の早春で、第一審の判決が無期懲役と出た夜、「ニュース・ステーション」に生出演し、「犯人が社会へ出たら、私の手で殺す」と言った。この言葉は衝撃的だった。

事件の概要を以下に記す。

1999年4月14日、遅い残業を終えて新日鐵の社宅アパートに帰った本村は、玄関のドアが施錠されていないし、内部(なか)に入っても電灯が点いていない事に不安を感じる。

しかも、リビング全体に妙な異様さがあった。妻の弥生(当時23歳)と一人娘の夕夏(11ヶ月)もいない。ここで本村は妻の実家に電話をする。受話器の子機を持ち、義母と話をするが、勿論、妻の動向は知らないという。

押入れを開けた時、そこに変わり果てた妻の死体を発見する――。

犯人は数日を待たずに逮捕されるのだが、犯行時18歳だった為、少年法という厚い壁に阻まれる。

第一回公判で、事件の詳細が初めて検事より朗読される。水道の排出検査という名目で部屋に入った犯人は、弥生を強姦しようと思うが、強い抵抗に遭って絞殺する。これで静かになったので衣服を剥ぎ取り、汚物を拭いて死姦までする。

母親の異常に気が付いたのか、腹ばいの状態で夕夏は泣きながら母親の側に行こうとする。

その声に動転した犯人は夕夏を頭から投げ捨てる。一瞬泣き止んだが、なおも母親の側に行こうとするので、首を絞めるが、あまりに細いので手に余ってしまい、持っていた紐で夕夏も殺してしまう。

この条(くだり)を読んでいると、自然に涙が出てくる。腹立たしくて悔しすぎる。夕夏はどういう思いで母親に近づこうとしたのか。ただ本能のまま、行ったとしても悲しすぎる。

ほぼ9年の闘いの結果、本村は死刑の判決を勝ち取る。

本書の筆者は最終章で刑務所にいる犯人と会う。犯人は静かに云った。私は弥生さんと夕夏ちゃんの2人を殺しただけでなく、家族、肉親ら2人に連なる全ての人の人生を殺したのだと。

本書を読めば、本村が最初から強い人間ではなかったのがわかるし、絶望して全てを投げうちたかったのかも手に取るようにわかる。

会社の上司の言葉がとりわけ印象的だった。

別の機会で、本村が「私はいつもいつもテレビで見るような怖い顔をしていませんよ」と笑顔で語られていたのを知り、ホッとした。
このレビューは参考になりましたか?
57 人中、53人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
大切な本はたくさんあるけれど、こんなに泣いた本、心がふるえた本は生まれて初めてだった。
本村さんの激しい感情、強い発言はどれもこれも本当にもっともだった。
あまりに痛みが伝わってきて、涙が何度も何度もこみあげてきてこらえきれなかった。
本村さんもがんばったけれど、本村さんを必死に支えようとした人々の存在は大きかった。
凄まじい検事の執念、辿り着いた法廷に感動した。人が人を支えるとはこういうものかと思った。
この人たちも本村さんに心ふるえたのだと思うし、どれだけ本村さんが支えられたかとも思う。
私にも痛みがある。本村さんには全然及ばないけれども、自分にとってはとても深い心の傷がある。
けれどもこの本を読んで人は一人ではない、通じるのだ、支えられるのだと思えた。
絶望の中で生きるとはどういうことなのか、命とは、死とは、考えた。
人の心が通じることについて、人が人を支えることについてとても考えた。
文庫本の最後には現在の本村さんの姿が少し描かれている。良かった。本当に良かった。
本村さんには本当に幸せになってもらいたいと願う。このままそっとしてあげたい。
私にとってもっとも痛ましい事件だと思っていたけれど、この本が読めてすごく良かった。
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