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21 人中、17人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
なんで本田は、好きでもないものを持ち上げようとしてるのか?,
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レビュー対象商品: なぜケータイ小説は売れるのか (ソフトバンク新書) (新書)
書名にも明白だが、これは読者のマーケティング的関心に応えようとする本。対象読者は「ケータイ小説を読んだことはないが、『どういうもので、どうして売れているのか』に興味を抱いている人」であり、「ケータイ小説」ではなく「ケータイ小説市場」の入門書だと最初にハッキリ書いてある(p4)。つまりケインズの美人投票よろしく、「対象への関心」ではなく「対象への関心への関心」に照準している。ただ問題は「ライトノベル派の筆者は『恋空』や『赤い糸』にはまったく共感できず、読みながら何度も本を壁に放り投げたくなる衝動に駆られ」るタイプである点(p235)。本書がイマイチ腰の定まらない印象なのは、これが原因ではないか。 ただ個々の指摘には面白いものも多く、「ケータイ小説はジョージ秋山に似ている」(p98)なんて笑った。ケータイ小説は「文学」ではなく大衆芸能・民間説話の類であり(p178)、Yoshiが他者救済をめざす現代の説教師なのに対して『天くれ』は自己救済の物語だなんて話(p118)には、何となく納得(…どれも未読だが)。 著者によればケータイは活版印刷・インターネットに次ぐ第3の大発明で(p205)、ケータイによるネットへのアクセス増加は二極化・格差の問題ではなくネットの真の大衆化(p176)。ケータイ小説はまだ既成の物語を反復しているに過ぎないが、「あらゆる人間が『物語』を生成することが可能になったという事実は、(中略)80年代以降ずっと続いている閉塞したニヒリズム状況が、これからやがて打破されるという希望に連なっているかもしれない」(p227)らしい。そういえば高橋源一郎もしばらく前の雑誌連載エッセーでケータイ小説に触れ、「明治の小説は大抵こんなだったヨ」みたいなこと書いてたし、「これは実話です」という断りつきなのも近代文学黎明期に似てるかも知れなくて、新しい時代の開幕を予感させなくもない…ような、ないような。 あと、一応言っとくけど、実際のケータイ小説読者が本書を読んで、「ワタシは現実と小説の区別ぐらいついてます! これは娯楽です!」と腹を立てるのは、ちょっと話の筋が違うと思う。だって、ケータイ小説が娯楽になる人とならない人がいるワケで、その娯楽になる構造のことを著者は言ってるんだろうから。
6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
自分が制度側にいたと気づかされる,
By pp-tang (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: なぜケータイ小説は売れるのか (ソフトバンク新書) (新書)
本書の趣旨は以下のようなものである。<無意味な生に意味をもたせてきた「大きな物語」が崩壊してニヒリズムを生きねばならない中で、生に意味をもたせるための物語への欲求が若者の間に存在した。しかし制度化しきった既存の文学は、新しい物語を提供できない。そこに、ケータイというデバイスが登場し、読者と近い位置にいる作り手が、読者とインタラクティブに「物語」をつむいでいった。内容はごく私的な領域の話題に限定された「リアル」なものであり、これがふだん本を読まない子向けの救済の物語となった。すでにケータイ上で読まれていたものをファンアイテムとして買うというケースが多かったこともありよく売れたのだ。> 同じ著者の「はじけた」他著作とくらべかなり抑制して(させられて?)書いてあり、魅力が半減しているが、ケータイ小説への見方について一定の枠を提示してくれていて、現象理解の助けになった。レビュアもケータイ小説をたいそう浅薄なものとのみ理解し軽んじていたが、それは小説という制度の中からの視点にすぎないのかもしれないと反省を促されたし、一概にこき下ろす気持ちもなくなってきた。また、「ケータイ小説」という名がついているが、著者の言うように、実際は一種の物語・説話であるという見方を採れば、なにかその存在に別の態度をとれる気もする。「気晴らし」に読書する人が多いと思うが、読書経験の浅い彼らがケータイ小説によって、なにか意味をみいだそう、心を安定させよう、救われよう、と「まじめに」読書しているのだとすれば、健気にも思える。 ちなみに、本書はまず「あとがき」から読むとよいかも(要約があるので)。
5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
根は同じだ。,
By くさむら衛生 (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: なぜケータイ小説は売れるのか (ソフトバンク新書) (新書)
この本(新書)でジョージ秋山の銭ゲバが出て来るとは思いも寄らなんだ。本田自身にとっては好みのジャンルではなく、それでも本田が今まで考察して来た事に合致していたようで、概ね良い評価をしている。 結論はいつも一緒。 人にとって物語は必要だと。
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