ベストセラーの改訂版。
前の版は読んでいないので、今回、初めてこの「ショッピングの科学」に関する本を読んだ。この本で取り上げられている、数々の例やアイディアはそれ自体が特異なものでなく、言われてみれば、或いは、実際に目の当たりにしてみればごくごく当たり前の、難しくも何ともないことばかりだと思う。しかし、こういったことを業務とする会社が実際に存在し、活動していることからして、そんな当たり前のことすら気づかない人間が以下に多いかということの証左だろう。もし、もう少し店内の様子に、或いは買い物客の動きに気をつけてさえいれば、一体どれだけの利益につながるだろうか。
また、この本では、非常に多くの事例が紹介されているが、それら一つ一つが実際のものだからこそ、読んだときの説得力になるのだとも思う。インドからブラジルから、世界中の事例が挙げられているが、日本の事例の一つとして携帯電話のデコレーションを挙げているのが興味深かった。正直なところ、そんなものにこれといって関心がなかったが、そういう見方もあるのか、とちょっとだけ考えさせられた。加えて、インターネットとショッピングとの関わりに関しては、必ずしも好意的なばかりではなく、割と辛口のことを言っているのも印象的だった。
本としての印象はというと、これはアメリカのビジネス書の特徴の一つかもしれないが、実際の事例の紹介が非常に多いのが特徴だと思う。そのため、読んでみて、その状況をイメージ出来る。その点、読み易い点だと思う。しかし、最初からほぼ最後の方まで500ページ弱その調子で続くので、結構ボリューム的には疲れるとも思う。