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10 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
誘導自体は強引だが、「信仰」という行動を考える契機になる,
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レビュー対象商品: なぜ、脳は神を創ったのか? (フォレスト2545新書) (新書)
やたらに広告を見かける、よく分からない肩書きが多い著者、挑発的なタイトルで派手な装丁、インタビューから起こしたかのように短期間に量産される著作、そういう類の本は何かうさんくさい感じがしていた。本書もそう言う印象だったが、読んでみると先入観を改める必要があるかなと思った。本書では「神」を説明するのに「宗教」や「信仰」の実体は何かということを説明している。この説明が、非常に簡潔で平易なのだ。普通、学者が書いた本だと、引用が溢れていたり用語が専門的な分かりにくかったりするが、本書ではそう言う心配はまったく無用(だからインタビューから起こしたように感じる)。 キリスト教とはどういう性格の宗教であり、それが根底にある西欧文化はどう理解されるべきなのか。片や日本人の多くが無意識に信仰している仏教とは本来どういうものなのか、このあたりの解説は見事で宗教的なことに鈍感で無知な自分がよく分かる。 最終的には「個人がどうあるべきか」という生き方を問う話になる。その解決策としてを目標設定と筆者の提唱するコンフォートゾーンが出てくるのだが、このあたりはやや強引で次の著作に誘導している感じが否めない。 最後はともかく、「神」の前提になる「信仰と宗教」とは何であるのか、と言うことに目を向けるのにはわかりやすい本だ。
7 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 2.0
序盤はまだいいけど,
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レビュー対象商品: なぜ、脳は神を創ったのか? (フォレスト2545新書) (新書)
後半になればなるほど、最初の方に述べた論と矛盾していくように見えた。性善説に過剰なほど則った発言が多すぎて、著者が「支持はしない」と言っているくせに最後の結びで述べている理想の社会は どう見ても共産主義・・・。 共産主義の善し悪しは全く別物なのでそこはどうでもいいが、矛盾しすぎている。 また、もう一つの結びでは「宗教は要らない。自分の物差しを作ってそれを信じなさい」と言っている。 序盤の方で「何かを信じるという行為は、それ自体が既に宗教である」と述べていた。 それを実践したら、この本で述べられている観点から判断した場合、苫米地教が出来上がってしまうことになるのでは。 この手の矛盾があまりにも多すぎて、後半はひたすら気持ち悪さを感じていた。 一応全て読んだが、読んで面白かったなと思うのは、本文の序盤で語られる様々な研究の話や、 原爆投下に立ち会った人たちの背景についての部分くらいであった。
6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 2.0
死についての問いに対して配慮が足りない,
By T.H. (東京都町田市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: なぜ、脳は神を創ったのか? (フォレスト2545新書) (新書)
本書著者である苫米地英人氏の著書については、概ね好感を持てるが、少なくとも本書についてはその例外にせざるを得ない。他人の価値観を捨て、自分の価値観のもと、自由で幸福な生き方を志すという、その理想自体は大変素晴らしい。しかし、宗教家に悪人はいないのなら、問うべきは宗教の真偽や神の有無そのものより、現世利益への私欲のため神・宗教の名を騙る権力の悪意であろう。そもそも神・宗教の起こりに係わる、根源的な問いはどうするのか。 人が信仰心を抱く三つの理由には、いずれも「死」という要素が係わっているのがわかる。そして神の不在を証明したのは科学であるが、死ぬことを科学的に捉えるとどうなるか。即ち、そこには前世も来世もなく、死ねば肉体はモノと化し、精神は無に帰す、という解釈になる。また釈迦の教えとの合致性からすれば、世界は「幻か無か」というだけでしかない。これでは死について、あまりにも救いがなさ過ぎる。 時間は不連続にせよ、始まりも終わりもない。それに対し、生は部分情報でしかないだけに、無始無終の中ではほんの一瞬でしかない。さらに死に至る方向にのみ、止まることなく進む。だからどんなに長生きしたとしても、死ぬときまではあっという間に感じられる筈だ。まして今この瞬間にも死が訪れないとはいえない。それゆえ片時でも死を忘れていられるとしたら驚くべきことだ。 また、すべてのことに偶発性が存在するのなら、道理で因果応報も成立しない訳だ。もし、世界が現世しかないとすれば、そうした不条理に対してもあきらめはつかず、どうせ無に帰す運命だからと、生きることにも喜びを見出せず、さりとて自殺もできないという、宙ぶらりんの苦悩を余儀なくされよう。これでは上記の理想とは程遠い筈だ。 それゆえ、神や宗教から解放しておいて、それに代わる「死に臨んだ心の救い」は提示しないというのは、無責任な片手落ちというものだろう。死に際した救いなくして、生き方を云々するどころではない。 唯一絶対の価値の尺度はないからこそ、科学や無神論もまた絶対的なものさしにはなり得ない筈だ。だからこそ、死ねば無に帰すとする死生観も受け入れるものではない。結論として、ブルース.ゴールドバーグ著・石原佳代子訳に代表される「コンシャス・ダイイング」を扱う内容の書と、必ず併読するという条件をつけぬ限り、本書はお勧めできない。 誰だって、死ねば無に帰すだけの運命という認識のままで、死にたくはないはずなのだから。
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