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なぜ、国際教養大学で人材は育つのか (祥伝社黄金文庫) [文庫]

中嶋 嶺雄
5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (13件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 550 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容紹介

就職率100%の理由を探る。
グローバル化時代を生き抜く答えが、ここにある!

国際教養大学(Akita International University)... 2004年に日本初の公立大学法人として、秋田県に開学。
国際教養という新しい教学理念、全授業を英語で行なう、徹底した少人数教育、
必須の海外留学(1年間)、厳しい卒業要件、365日24時間開館の図書館など
独自のプログラムと施設を整備する。
入試偏差値は東大・京大レベル、就職率100%、
31カ国・地域から161人集まる留学生など、
国内外で高い評価を受けている。

内容(「BOOK」データベースより)

秋田の地に“奇跡”が起きた!就職率100%の理由を探る。英語力・教養力・コミュニケーション力・留学体験、グローバル化時代を生き抜く答えがここにある。

登録情報

  • 文庫: 208ページ
  • 出版社: 祥伝社 (2010/12/9)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4396315295
  • ISBN-13: 978-4396315290
  • 発売日: 2010/12/9
  • 商品パッケージの寸法: 15 x 10.6 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (13件のカスタマーレビュー)
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56 人中、45人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 疑問も残るが一読の価値あり 2011/11/3
形式:文庫
秋田の新設の公立大学でありながら高い就職率を誇り、入学偏差値も鰻登りの国際教養大学について、学長が多少の自慢も交えながら説明している本です。
実用に耐えうる外国語教育、教養教育の再評価、24時間利用可能な図書館などの施設、留学の義務化、単位認定の厳格化など大学教育を考える上でとても考えさせられるし、自分の学生時代を考えるとうらやましくもなりました。特に教養教育を重視する姿勢は、大学においても就職に直結するような知識ばかりを短絡的に求める嫌いなしとは言えない最近の状況に対して、広く教養を授け、人格を陶冶しようとするもので共感できました。
ただ他方で、全ての授業を英語で実施する(日本語の授業を全く実施しない)点については、明治維新期に右も左もわからない中で欧米の言語を読み解き、数十年・百数十年を経て自分たちの言語(日本語)で書物を書き、授業をできるまでになった学問的蓄積を全く顧みないようで少々釈然としないし、また原則として全教員を任期制の下におくことに疑問を感じていない様子なのにも賛成できません。特に後者については、本文の中でも文科次官に褒められた話が出てきていて、実際にも文科省の方針に合致するものだろうと思いますが、詰まるところ教員の立場を不安定化して大学(執行部)に、ひいては文科省に対して従順な人間しか残れないのではないか(実際、他の大学では文科省が大学教員の任期制導入を強硬に推進し始めてからこれに起因する不当な雇止めも多発し、訴訟になるケースも珍しくありません)、さらに心配なのは3年という短い期間を区切ってしまって、教育面はともかく研究面で落ち着いて結果が残せるのか疑問が残ります。本の主題が「なぜ、人材は育つか」ですから、教育面にスポットライトが当たっているのは当然としても、大学である以上、研究がどうなっているのかも気になります。どうも読み進んでいくと教員に対する評価も教育がメインとなり、研究が二の次の感が否めません。もしそうであれば、任期制とも相俟って、他大学が費用をかけて研究者に研究をさせた成果を、一定の期間その研究者を雇うことで利用し、その研究が古くなって陳腐化すれば任期満了とともに外部に放出する(テニュア制もあるようなので全てが全てではありませんが)、すなわち自分たちでは費用もかけずリスクもとらないでおいて、他大学がかけたコストの一部をいいとこ取りしているような気もしました。また、全体を通して筆者が“グローバルスタンダード”というある種得体の知れないものに盲目的なまでに合わせようとし、逆に日本にそれに抵触するような習慣などがあれば何ら迷うことなく切り捨てて悔やむところなしといった様子が感じられ、違和感を覚えました。
と、まあ、色々と疑問や不満もある内容ですが、授業のやり方にせよ教員の採用の仕方にせよある意味でかなり極端を行っているだけに大学というものを考えるよい材料になること、また就職率に端的に表れているようにこの大学が一定の成果を上げていることなどを考えると一読の価値は大いにあると思います。
このレビューは参考になりましたか?
3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
自身のつたないビジネスキャリア経験と、また自分なりの勝手な解釈ですが、昨今の社会情勢及び大学に求められるスペックとを通して読ませていただきました。
結果、ここに書かれていることは、基本的には必要なことではないかと改めて感じました。

1.教養について
  学力も当然必要な指標の1つであると思います。
  ただそれ以上に教養も非常に重要である。これを「1人の日本人として世界に通用する必要最低限のスキル」だと定義した場合、自分も含めて課題はある(まだまだ不足している部分もある)と感じます。
  「最低限自分の課せられた仕事をCompleteさせるのは当り前」で、それ以上に「1人の人間(日本人)として」も合わせて、「1人のビジネスパーソンとして(世界の人たちからは)見られている」と考えた方が良い、その最たるものが教養である。というのが自身の(勝手な)解釈です。
   文化、歴史(特にアジア現代史)、スポーツ(その生まれた背景。例えばFootball)、宗教等々、英語以外にも必要な「教養」は、主なものをあげてみても、これだけあると理解しています。

2.企業における育成について
  本書にも触れられていたと思いますが、事の是非は別にして、現実論として「企業は以前のように実質的な”育成機能“を果たさないようになるのではないか」と感じています。即戦力を求める傾向にある昨今の企業側の姿勢はその象徴ではないかと思われます。

3.成果
  2004年に設立され、実質10年も経っていない国際教養大学の成果について、現時点では自分には判断できません。
ただ1つだけ言えるのは、今一部大学でも全てとは言わないまでも授業を英語化したり、少人数かつ双方向の議論形式での授業を一部取り入れたり、海外留学を必須化したりといったような、国際教養大学と同じ取り組みを始めている大学も出て来ています。
今後「グローバルに対応できる人材を作り上げていくこと」を大学として1つのミッションと考えているならば、これらの方策も1つの有力な考え方だと思います(もちろん「正解」は1つではない。大学によってそれぞれ違うやり方もありうるとも思っています)。

国の方針として本当のところどう考えているかは自分には良くわかりませんが、少なくとも学生数に反比例するかのように大学数が増えているのは理にかなっていないと思います。
これからは国内だけでなく海外の大学とも人材獲得競争をしていかなければいけない時代です。大学が淘汰されていくのは自然の流れだと思います。それに対する対応策の1つとして、「量より質を追求」すること、大学としての独自性を出していくことは、有力な考え方の1つではないでしょうか。
このレビューは参考になりましたか?
35 人中、24人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By Ibo
形式:文庫|Amazon.co.jpで購入済み
あらかじめ言っておきますが、国際教養大には好意的な印象を持っています。
世界標準を具現化させ、腐った日本の他大学を再生させるブレイクスルーの一つになってほしい、そう応援しています。

が。

本書の内容(自慢気味の大学紹介が半分、もう半分は学長である筆者の学力観や教育観)については承服しかねる部分も多く、また読んでいるうちに教養大に対するイメージも変わってきたのでそのあたりを書いていきます。

1.教養があれば全てが上手くいくのか?

筆者が繰り返しその重要性を説く教養教育、なるほど大切なものと思います。
しかし、それはあくまで人間の下地であってその学生の専攻でもなければ個性でもないはず。ぶっちゃけ本書から読み取れる教養大の教育からは「学問のための学問」という臭いしかしません。
「魚が好きだから水産学科に行った」「演劇が好きだから英文学科に行った」というのには、幼いながらも明確な「夢」や「目標」が見えます(多くの大学では教育がお粗末過ぎて、専門性も教養もロクに身に着かないというのは問題ですが…)。

翻って教養大の志望理由を見ると「とにかく勉強がしたいから教養大に入った」という者が多く、ここに確固たる「目標」は私には感じられません。
英語はペラペラ。コミュニケーション力も十分。でも、そういや自分のやりたいことってなんだっけ。
秋田の山奥でのカンヅメ勉強生活と、わずか一年の留学で、学生たちはどれほどこの答えを見つけるのでしょう?

2.大学は企業の研修代行業者ではない

筆者は日本の大学の老獪な教授会や文科省は非難しますが、企業の言い分に対しては驚くほど寛容(従順?)です。
「大学はちゃんとした“完成品”を作ってほしい」「世界ですぐ活躍できる人材が欲しい」…自らの放漫経営と商品開発力やPR力の無さを棚に上げ、不景気を全ての言い訳にしてもはや社内教育を放棄した企業側の言い分には、大学は文句を言う事はあっても決して迎合してはならないと思うのですが……。

就職率100%という数字、言い換えれば企業が求める人材が育つ大学なのでしょう(←ちなみにそもそも入試難易度が東大京大レベルなので、学生は入学当初から相当学力が高いです。全てこの大学の教育でイチから叩き上げているわけではない)。卒業生のもつ語学力、コミュニケーション能力、根気、その全てを企業が欲しがるのは当然です。

しかし教養とはそのためにあるものなのでしょうか?彼らがその“教養”をもって選択した自らの自己実現への道が、全て日本の大企業の中に見つかったのでしょうか。
……だとすれば、それだけで僕は彼らの“教養”にやや疑問を覚えます。

3.その人材、本当に世界に通用しているの?

本書を読む前は、教養大の卒業生は国内の一流企業だけでなく、海外の企業にもたくさん就職しているものだと思っていました。ただどうも本書を読む限り、意外と内向きのようで。
「海外留学中に、日本の製品がかの地でどれほど優れたものと評価されているかを知った。だから日本国内の企業に就職したい」という理屈はなるほど通じます。
しかし、世界的大企業や組織には進まないのか?それとも進みたくても進めないのか?そういう疑問が残ります。

長々と批判的なことを書きましたが、冒頭にも書いたように世界標準の教養教育をしている(らしい)教養大には本当に期待しているんですよ。
ただ、もしかしたらそれはようやく教養教育において、世界の平均点を取れただけなのかもしれないと本書を読んで思うようになりました。それではなるほど世界の平均点すら取れていない日本の学生よりは余程優秀で、就職には強いだろうけど……しかしそれだけでグローバル化と言えるのでしょうか。

まぁ、まだまだ出来たばかりの若い大学(しかも小規模校)です。就職率100%を誇った卒業生たちのその後がどうなるのか、教養大が単に「シューカツに強い、厳しめの語学学校」で終わるのか、真にグローバルな人材を輩出する梁山泊であるのか、その行く末を見守らせていただきます。
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