著者ののべている腕のない人の絵、通称「頭足人」は世界中の子どもが、発達の過程で描くものであり、全世界の子どもたちに共通で、言語、習慣、民族、国籍を超えて同じ表現をするもので、はるか昔からその存在が知られています。
私がこの本を読んで疑問に思ったのは、文献をあたる過程でそのような記載にあたらなかったのは何故かということでした。
この本に一貫しているのはこのことだけに限らず、小数の主観的な観察ではなく、きちんとデータを取る、探すという客観的事実を追求しようとするなら誰もがとらなくてはならない基本的な姿勢がまるで欠如してるということ。この人はこんなこといってたんですよ、的な話ばかり。万事が万事そんな調子。
考察についてもきちんとした因果関係を示す事実など何ひとつ示さず、あるのは間接的なほのめかしか、居酒屋の素人の野球談義みたいなオレはこう思うんだよ、みたいな話ばかり。
著者は小説家なのでそういう気分で書いたのかなと思いましたが、事実を追従する本には何も論文みたいに書けとはいいませんが最低限の姿勢、質ぐらいは必要なんじゃないでしょうか。