日弁連刑事拘禁制度改革実現本部事務局の二人の弁護士(小池・青木)と、実際に代用監獄に入れられた弁護士(安田容疑者)が、2006年に刊行した60頁ほどの小冊子。法律上、容疑者(未決拘禁者)は裁判官による勾留決定後は、捜査担当機関所轄の警察留置場ではなく、拘置所(身体拘束担当施設)に移されることになっている。しかし実際には、1908年の監獄法に基づき、ほとんどの場合、容疑者は捜査上の便宜から、警察留置場=代用監獄に連れ戻されている。その結果、チェック機能が働かないまま、密室で拷問に近い長時間尋問や人権侵害が行われ、代用監獄は自白強要の場、冤罪(真犯人は逮捕されないまま!)の温床となっている。こうした事態は他の先進国の状況や国際人権規約に照らしても異常であり、司法改革の一環として早期改善・法改正が望まれる。著者たちは、代用監獄の廃止は従来の自白偏重の調書裁判との対決であり、裁判員制度の実施による直接主義、口頭主義の公判中心裁判の実現によって、展望を開くことができると主張する。人権侵害の温床としての代用監獄の問題性を、司法改革の流れの中で位置付けた読みやすい小著であり、警察の権限強化が叫ばれる今日だからこそ、正面から議論されるべき重要な論点であると言える。