本に記載されている具体例は要介護や知的活動が鈍ってきた老人ですが、これは『ひと』に関する一般考察として敷衍しても良いと思いました。ヒトは個人差が大きいので万人に共通することはあり得ませんが、6、7割のヒトにとって「自分の場所、立ち位置、存在場所、役割」がはっきりしていることが不安からフリーでいられる大本です。そして『ロールを遂行している感覚』が満足感をうる源泉です。
認知症の認定や要介護の認定を受けている人でもそうなのですから、まだ認知症にはほど遠いヒト、五体満足のヒト、壮年や青年ではなおのこと、「自分の場所、立ち位置、存在場所、役割」があること、なさねばならないタスク、課題、仕事、難題、ストレスがあることが大事になります。
人生が希望もハリもない、ただ続くだけの無為なものになってしまっては、老人(高齢者)や障害者でなくてもやりきれません。 『ハリのある人生は「課題に立ち向かっているときがあるから」』ということを失念あるいは気がついていないヒトが、そのことを考えるための教材、副読本としても、良いと思いました。
老健施設などの関係者や、親が高齢になったり、夫や妻が退職を間近にしたヒトにもお薦めです。