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なずな
 
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なずな [単行本]

堀江 敏幸
5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

生後2ヶ月の女の子と過ごすイクメン小説!
「世界の中心は、いま、《美津保》のベビーカーで眠るなずなの中にある」──ひょんなことから授かった生後2ヶ月の「なずな」。かけがえのない人々と、二度と戻らない日々を描く待望の長編小説。

内容(「BOOK」データベースより)

私は守っているのではなく、守られているのだ、この子に。なずなに。かけがえのない日々とかけがえのない人々を描く待望の長編“保育”小説。

登録情報

  • 単行本: 440ページ
  • 出版社: 集英社 (2011/5/2)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4087713776
  • ISBN-13: 978-4087713770
  • 発売日: 2011/5/2
  • 商品の寸法: 19 x 13 x 4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 82,845位 (本のベストセラーを見る)
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By biscuit
育児をテーマにした小説らしい、というのは読む前から知っていたのだけれど、著者の洗練された文体の印象から、「堀江敏幸」と「育児」が、わたしの頭のなかで、どうしても結びつかなかった。

読みはじめて、納得。
たしかにこれは「イクメン」の物語で、同時に、ファンにはたまらない堀江流スパイスがたっぷりかかった長編小説なのでした。

独身で、育児の経験もない主人公菱山が、ひょんなことから、生まれて間もない姪っ子、なずなを預かることに。
周囲の人を巻き込んで、男手ひとつで菱山の奮闘がつづく――という、あらすじにしてしまえばそれだけのストーリーなのだけれど、見事なのは、なずなを中心に人のつながりが生まれ主人公の周りの景色が変わっていく、そのディテールの描きかた。

「なずなが来てから私の身に起きた大きな変化のひとつは、周りがそれまでとちがった顔を見せるようになったことだ。こんなに狭い範囲でしか動いていないのに、じつにたくさんの、それも知らない人に声をかけられる」

昼夜の別ない授乳とオムツ替えで寝不足になりながら、ベビーカーを押して取材に出かけるうち、菱山は、今まで気づかなかったあたらしい町の表情を発見する。
主人公の脇をかためる魅力的な登場人物たちの存在に、「こんな町で子育てができたらいいなあ」と憧れさえ抱いてしまう。

なずなが初めて涙をこぼす。笑う。寝返りをうつ。喃語が出る。
その生命力に、周りの大人たちはひきつけられ、心を動かし、一喜一憂する。
そして菱山は思うのだ。
「世界の中心は、いま、《美津保》のベビーカーで眠るなずなの中にある」

4百ページを超える長編を最後まで読みきったら、何だか勇気が出て、夏に生まれてくる赤んぼうをむかえるのがすごく楽しみになった。
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18 人中、17人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By
「なずな」を通して見えてきた、外に開けていく《世の中》を体験しながら育んでいく父親役の菱山の、なずなに対する愛情が、それこそ手ですくえないほどに伝わってきました
菱山自身の囲碁の布石も予想もできない模様を描いていたように、それまでのものの見方や価値観が一変されていきます。「なずな」を世界の中心とみなしているときの考え方や言動の端々に親としての穏やかなまなざしが感じられました
私には子どもはいないけれど、子連れ草食動物の、そのときどきの心境にとてもよく共感できているような気がしてしまうのが不思議でした
赤ん坊には人を引き寄せる力があるのだという。そしてなずなの記録を丁寧に綴った、この小説にも読者の眼を惹く魅力があります。
子どもができるようなことがあれば、ぜひとも再読してみたいと思いました。菱山がなずなと過ごした日々の中で得ていたものが、自分にとってとてもうらやましく見えていたからかもしれません。
このレビューは参考になりましたか?
8 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By Rumiko トップ1000レビュアー VINE™ メンバー
主人公は40代独身のローカル新聞記者。
弟夫婦の体調不良・事故などの理由で、生後間もない姪っ子「なずな」を引き取る。
もちろん子育てしたことのない彼は、
たびたびのミルク・排泄・入浴などの世話に明け暮れ、疲弊する。
しかし、なずなを連れてあるくことによって、
今まで接点がなかった人たちと関係を築き、またなずなの視点から
新しいものが見えてくる。
なずなの視点でものをみることで、周りの空気を感じ、その中の粒子まで、
感じるようになるのだ。
そして、弟夫婦の状況が改善し、なずなを手放すとき、
彼は悟る。なずなを守っているように思っていて、実は彼女に守られていたのだと。

男性が描く、乳児の様子が、女性が描くものととても違うなと思いました。
冷静に、観察しているという感じ。でも堀江氏の客観的な描写の底辺には
いつも静かな愛情を感じてしまう。

大きな事件があるわけでもなく、静かな毎日の繰り返しと小さな変化を描く、
読んでいて心が豊かになるような小説でした。
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