進路を決めないまま高校を卒業してしまい、親の手前就職活動のフリをし、出かけたハローワークで、職員さんの勧められるまま、団子屋でパートしたり、工場に勤めたり。
工場では、会社の濃密な人間関係にふれ、へたばりかけてたとき、「好きな絵を習おう」と働いたお金で、絵の学校へ入学する、というところで終わっています。
「自分にも、(努力すれば)できそうだ」と思えることが少ない、一念発起で動いてみても、やっぱり、できない。これではヤバいのは重々承知。ハタからはどうみえようが、本人が一番困っている・・・。
こんなに自分をありのまま描いている本って珍しいと思い、好感と共感をもちました。
不器用で要領が悪かった、仕事が長続きしなかった、無職だった、なんて書くと、”人並みのことがフツーにできる”人たちには理解されないし、悪く言われてしまうこともある。
なのに、カッコつけず、当時感じたことをそのまま描いてるとこがいいなぁと思います。
人生、スムーズに進めず、ジタバタすることがあってもいい。またはそのほうが自然。
のちに、作者が、うつ病にかかった旦那さんに「達観したような」接し方ができたのも、この一見「困った」性格、体験がゆえだったんじゃないのかな?と思わされました。
頑張ればある程度は上手くいってきた人は、上手くいかない人は努力が足りないだけとしか思えないことがある。「上手くいかないときがあってもいい」「頑張るのがいつも正しいとは限らない」なんて頭はない。努力してると自分が他人の役に立っているとか、自分からは頑張ってないように見える人に迷惑かけられているか?といえばそうとは限らないのに。(あるいは、当人にとってはマストの努力かもしれないのに)
そして人を追い詰めることがあるけれど、不器用で、それをありのまま認められる人は、却って頭が柔軟、想像力も豊富、上目線でものをいうことも少ない。と他人に役立つ人にもなれるんじゃないかと思わされました。