文庫初版は昭和51年。目次は、モノクロ写真、「誕生」「島へ」「乳離れ」「夏の盛りに」「冬から春へ」「あとがき」「解説(園山俊二)」。「あとがき」に二冊の本を一冊にまとめたとある。畑正憲を知ったのはこの本だった。世の中には変わっているけどすさまじい情熱を持っている人がいるものだなあ、と著作を読むようになった。動物王国のテレビ番組は見なかった。著作とテレビは別という割り切りがあった。それでしばらく忘れていたのだが、最近のナイティナイン岡村との絡みが凄くおもしろかった。ブラジル紀行番組がおもしろすぎた。そしてライオンに指をかみ切られた。これから畑正憲が再びおもしろくなる前兆があっただけに非常に残念に思う。この本は1971年頃、著者が北海道の無人島で熊と暮らした記録だ。「飼った」のではなく「暮らした」のである。人がどこまでやれるか、それはその人の限界、常識というものが見えることでもある。著者の限界、常識がどこにあるのか、その基本がよく出ている。テレビのムツゴロウしか知らないならば一読をおすすめする。