社内の危機管理委員をやっていて、BCPの必要性を主張してきましたが、これを作るのに社外コンサルタントが入ると少なくとも1千万円は軽くかかることがわかり、なかなか役員の了解が得られず2年が経ちました。その間ネットで、中小企業庁をはじめとした作成マニュアルやら策定ガイドラインやらを読みながら、何とか自作できないかと検討していましたが、何が大事でどうあるべきなのかといった根本的なところが腹に落ちず、「このまま作ったら形だけのものになって使われないな」という不安を抱えつつ、なかなか進められず、そのまま3.11を迎えました。
幸い、致命的な被害は避けられましたが、今後そう遠くない将来にも大規模地震が発生する可能性が高いとされ、「とにかく作るしかない」と腹をくくったときに出会ったのがこの本でした。藁にもすがる思いでした。
文体はかなりくだけた語りかけで、目の前で作り方を易しく手ほどきしてくれるという印象です。マニュアルの作成例も掲載されています。例は大事です。全く現実性のない文例もネット上にはありますが、それらはBCPを逆に難しくします。この本の例は現実味のあるわかりやすいものでした。
BCP内のそれぞれの内容について、何のためにそれが必要で、どこが肝なのかなど、これまでネットで調べてもなかなか理解し得なかった部分が理解でき、「これなら曲がりなりにも作れそうだ!」と、一筋の光明がやっと見えました。と同時に、「あの時にこれを先に読んでたらなぁ」と後悔の念も湧き起こりました。喫緊の課題に対し、回り道は時間の大きな損失です。
もうすぐ我が社のBCPが完成します。公開したとたんに不備が指摘されるかもしれませんが、少なくとも“使える”ものにはなっているのではないかと自負しています。なお、部分的には同氏の「実践BCP策定マニュアル」も参考にさせてもらいました。
p.s.初版の取扱がなくなりましたので、2版のほうにあらためてレビューを書き下ろしさせていただきました。