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どこへ向かって死ぬか
 
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どこへ向かって死ぬか [単行本]

片山 恭一
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

“還っていく場所”はありますか?

「自由」といわれながらも、生きにくいと感じて生きている私たち。「人間は根源的孤独を抱えながら、自己のたえざる絶望を経験する。そして精神的時間を生きることで、はじめて死へと出発できる」。独り異国パリの地で思索を紡いだ哲学者・森有正の“死に方”に、人間の「本質」としての生き方を見る。

■300万部の大ベストセラー『世界の中心で、愛をさけぶ』の著者が、「思索」に身を捧げた独りの哲学者の姿を通して、人間普遍の深遠な世界を見出す。

内容(「BOOK」データベースより)

なぜ、彼はパリで死んだのか?『世界の中心で、愛をさけぶ』の大ブームから5年、作家・片山恭一が、新たに私たちに問うたもの―それは、孤高の哲学者・森有正の“死に方”であった。

登録情報

  • 単行本: 288ページ
  • 出版社: 日本放送出版協会 (2010/9/22)
  • ISBN-10: 4140814330
  • ISBN-13: 978-4140814338
  • 発売日: 2010/9/22
  • 商品の寸法: 19 x 13.2 x 2.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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By スワン トップ500レビュアー
『世界の中心で、愛をさけぶ』の著者はかなり感性の高い人だと思う。だから幼いころから<死>について考え、その裏返しとして<生きまどう>ことが多かったのだろう、と察せられる。
そんな著者が正面から向き合った相手が森有正だ。

森有正について簡単に記しておけば、1950年、東大仏文学科の助教授のときフランスへ留学。東大からの再三の召還にも応じず、職と家族を捨て、パリに暮らしつづけた哲学者である。専攻はパスカルおよびデカルトだが、日本ではむしろ『バビロンの流れのほとりにて』や『遥かなノートル・ダム』などのエッセイで多くの読者をつかんだ。

そうした森有正の思想と人生について、著者は「孤独」「絶望」「時間」「出発」という4つの断面から迫ろうとする。

「孤独」とは、パリという街で<自分>を発病してしまった森有正の《自分以外の何もあてにしない》生き方だとされる。人種や肩書も取り外した生き方……。

「絶望」とは、森有正が大聖堂や古典といったヨーロッパの文物に圧倒されながら、しかもその西欧の文物のほうからはまったく相手にされていないという思い。それにもかかわらず孤独にパリで生きる、その困難さをさしている。

すべてを捨ててパリに生きることを決断したとき、森有正は日本人として擬似的に<自殺>したのであり、「時間」とは、一度死んだ彼が<人間>としてふたたび甦るための道のりであったという。その一例として引かれるのがリルケの『マルテの手記』を読むのに、なんと9年もの歳月をかけた(!)というエピソードだ。

「出発」とは、再生した森有正が彼自身のよく知られた言葉「経験」「感覚」「定義」に象徴される思想を獲得していくプロセスであり、自分の還っていく場所(著者の言い方によれば「どこへ向かって死ぬか」)を探し求める旅だとされる。

かなり硬い内容だが、じつは、以上は第一部の要約である。
著者が森有正とどう出会い、どう読んできたかについてのインタビュー(第二部)、さらには森有正の足跡を訪ねてのパリ紀行(第三部)という、第一部ほどは肩の凝らないページがつづき、片山恭一の捉えた森有正の全人像が浮かび上がる仕掛けになっている。

本書は「こう生きよ」とか「死とは何か」といったことに関する<答え>を用意しているわけではないが、「生きるとはどういうことか」「死をどう受けとめるか」ということを考えさせる一冊である。
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
「せかいの中心で愛をさけぶ」の筆者、片山恭一が、デカルト研究者の
真っ赤なノートルダムの装幀に、副題として〜森有正と生きまどう私たち〜
の言葉が、また格好良い!!

森有正が39歳で渡仏して以来、どのようにして死について、生について
考えたのか?国境も時間の境もなく、ただひとりの人間として、フランスの
文化に全力で立ち向かう森有正の姿がリアリティを持って、伝わってくる。

難しい言葉を使わずに、我々が一生考えても分からない問題について考えていく。
すぐに答えを知ることで得る喜びよりも、普遍的原理を発見していくために
考え続ける事、人間の奥深くに潜んでいる宇宙観を考え続けていく事の重要性
について片山氏が考え続けている内容にとても共鳴しました。
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