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どくろ杯 (中公文庫)
 
 

どくろ杯 (中公文庫) [文庫]

金子 光晴
5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

『こがね蟲』で詩壇に登場した詩人は、その輝きを残し、夫人と中国に渡る。長い放浪の旅が始まった青春と詩を描く自伝。〈解説〉中野孝次

内容(「BOOK」データベースより)

唇でふれる唇ほどやわらかなものはない―その瞬間、二人の絶望的な放浪が始まった。詩集『こがね虫』で詩壇にはなばなしく登場した詩人は、その輝きを残して日本を脱出、夫人森三千代とともに上海に渡る。欲望と貧困、青春と詩を奔放に描く自伝。

登録情報

  • 文庫: 297ページ
  • 出版社: 中央公論新社; 改版 (2004/08)
  • ISBN-10: 4122044065
  • ISBN-13: 978-4122044067
  • 発売日: 2004/08
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 32,778位 (本のベストセラーを見る)
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17 人中、17人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
 あまりにも個性的な日本詩人、金子光晴の彷徨を収めた自伝の第一弾。自身を美化し糊塗する文章は一行もなく、抑揚のない筆致は時代のリアリズムを浮き彫りにしている。にっちもさっちもいかず、時代の憂鬱さ、閉塞ぶりに急かれるように彼は、たいしたあてもなくパリに向かい旅に出る。ここに描かれている日本は、まるでたった今私たちがいる日本のように見える。救われない魂を持つ金子光晴のあがきは、今こそ現代に生きる人間のありうべき最高の誠実さとして輝いている。日本文学の傑作だと思います。必読です。
このレビューは参考になりましたか?
10 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By スイート・サイエンス トップ1000レビュアー VINE™ メンバー
形式:文庫
詩人金子光晴が、大正から昭和における自己の結婚、貧困生活、夫人の浮気、その後の上海でのどん底生活までを描いた自伝だ。

本書の特徴であり魅力の一つは著者が自分自身の欲望、無責任・いい加減さ、貧困生活などを赤裸々に語っているところだ。例えば夫人森三千代との結婚に至るまでの経緯も、愛情というよりは欲望に近い中途半端な形で始まり、子供が出来て結婚に至り、その後夫人が年下の男と浮気をしたため、それを引き離すために東京を離れて上海に流れ着く、といった具合に計画性なく惰性に任せて生きている自己を飾ることなく描いている。

もう一つ強い印象を残すのはこの夫婦が辿りついた当時の上海だ。当時の上海は「世界の屑、ながれものの落ちてあつまるところ」であったとのことで、社会の底辺で暮らす中国人肉体労働者の生態や、著者と同様に日本から流れてきて極貧の中でその日暮らしを続ける芸術家達の姿は痛ましいまでに強烈だ。

本書はこの夫婦が2年に及ぶ上海生活を終えてパリに向けて旅立つところで終わり、その後の更に5年に及ぶ放浪生活は続編の「ねむれ巴里」「西ひがし」に描かれているとのことだ。本書を読了した現在の心境は、「毒を食らわば皿まで」ではないが続編も読まずにおれないという気持ちだ。
このレビューは参考になりましたか?
5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
不朽の一冊 2010/7/13
形式:文庫
なんとも瑞々しい日本語である。
著者、最晩年に往時をふりかえって書いたものとのことだが、
なお瑞々しいという印象がする。

高橋源一郎氏が、たしか「マレー蘭印紀行」を評して、
これほど美しい日本語はない、といったことを書いていたと思うが、
「マレー蘭印」にくらべてこの本(を含む三部作)のほうが話にノリがあって、
個人的には好みだ。
濃密な文章がびっしりと綴られているので、
これくらい起伏があったほうが読みやすい。
初心者(?)はこちらから入るのがいいのではないか。

連れ合いの奔放な三千代さんの姿や、
彼女への複雑な愛情も生々しくビビッドに焼き付けられていて、
じつに魅力的にうつる。
読んでいると、漂白の魂が乗り移ってくるようで、
ぐうっと当時の世界に引き込まれていく。

折に触れて読み返したいし、
一生読み返していくであろう本。

※ところで三部作の三冊めの「西ひがし」が品薄のようで、
私は古本で読んだのだが、絶版なのだとしたら、
切らさないように刷ってもらいたいものだ。
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