絵に関して、どこがどういいなどと言う気にならない位書き込まれた、写実絵画の世界です。
絵に添えて、解説文と制作に当たって作家自身が書いた文章があり、絵自体の印刷も綺麗です。
本は、抗菌仕様のソフトカバー、A4変型版という感じ。
絶対実物にはかなわないだろうな〜と思いつつだったのですが、
要所要所でアップ写真もあり、それぞれ、紙面ではあるけれど。かなりの高精細。
とてもよい画集でした。
一つホロリと来たのが、少し前に新日曜美術館で放映されていた、クライアントからの依頼で、故人を描いた絵画。この絵画も、本作に所収されている。
その作品のモデルは、結納の10日後、ボリビア旅行中に亡くなった女性。不慮の死に、どうにも遣り切れない家族。その依頼を受け、写真だけによる制作作業が始まる。
結果、完成した作品は、この作家らしく、小さなニキビや産毛、睫毛に眉毛に髪の毛の一本一本に至るまで描かれており、依頼人の思いやなんかが、こういう形になったのだなあと、なんとも言い尽くせない気持ちになる。
他にも、臨床治療中の父親、舞踏家など…、
写実志向の画集なんですけれど、なんともいえずストーリーがあります。
何より絵に迫力があり、雰囲気もよく、しっかりとした絵なので、意外と万人におすすめの画集かと思います。