文体は軽妙で、日記形式でつづられています。文壇仲間とのゴルフ、妻や娘との出来事、精神状態、決意、体重、
食べた物や場所などが主です。しかし、妻を失ってからは、文体こそ最初から変わらず軽やかに見えますが、哀しみに溢れ
私はもう読んでいてとても辛く感じた。私は既婚者で、まだ妻も健在ですが、父を失った喪失感を経験しています。
だからもし、妻を失ったら・・・と考えることはできます。父以上の喪失感、あるいはもはや自身が崩壊するかもしれません。
そのような想定で、読み進めていくと軽くページを捲ることができなくなってきます。
日に日に減っていく体重、惧らくも病み進んでいった精神。なんとか最後まで読みました。
最後に城山氏の娘が、読者への感謝を述べておりますが、こちらこそ、本当に純粋なものを見せていただき、
ありがとうございましたといいたい。純粋、かつ美しくも、城山氏の妻への愛を感じた、哀しい本でした。
簡単に「愛してる」と口にする日本人が増えました。古いのかもしれませんが、本書を読むと、
そんなせりふを軽く口にするのは、日本人の精神性にそもそもそぐわないのではないかと改めて思いました。
愛は語るものではないと。