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収められている著名な所蔵物の紹介、成立の歴史的な背景などの著述は当然の内容ですが、それでも何度か訪れていても気付いたことのないものがあったりして、驚きます。私の場合は江戸時代の取り縄の縛り方を示した「メンコのような」人形とか。
しかし、なによりも嬉しかったのは建物や展示のよい所を写真にして下さったことです。正面からみた本館のたたずまい。階段のステンドグラスやラウンジのモザイクの精緻さ。モダンな法隆寺宝物館の、小さい仏像が整然と並びスポットライトを浴びている展示は、いつも「写真にとっておきたい、でも観客としては許されないこと」と思っていたのですが、それも載っています。特別な時にしか会場とならない表慶館の内部の素晴らしい様子もたくさんみることができます。通り過ぎるだけで心が落ち着く気がする黒門や庭園。いつも立ち止まって眺めていると「え、こんなことしてるの私だけ?」と思っていた所がいくつも載っているので、「みているのはわたしだけではなかった」と嬉しくもあり、「これで人が増えたらゆっくり見ていられなくなるのでは」と不安になったり。いえ、でもこういうファンはいまでもきっとたくさんいるのでしょう。
どこの美術館、博物館も、「○○展」以外にも味わって欲しいものがたくさんあると思います。東京国立博物館には「美と知識と憩いの場」というキャッチフレーズがあるそうですが、この本は、東京国立博物館のそういった気持ちがあふれているように思います。
内容的にはとても楽しめたのですが、タイトルの「こんなに面白い・・・」の「面白い」が少しイメージと違うかな、というところはあります。では、というとよい代案は浮かばないのですが。このことと、「あんまり知らせすぎて欲しくない」という我儘な気持ちをこめて星は4つに。
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