重松さんの得意の家族の物語。
今作では父一人息子一人。
舞台は昭和30年代から昭和も終わる頃から平成の時代へ向かう頃。
何事にも不器用な父親、ヤスさんと
とんびが鷹を生んだと称されるほどの息子、アキラ。
その二人の生活を温かく見守る人々。
昭和の良き時代を見せ付ける作品だった。
帯から母親がすぐになくなってしまって
父と息子が苦労しながらやって行く話しなんだろう、と
安易に想像できるし、実際そうだった。
相変わらずの重松節。
良くも悪くも重松さんのパターン。
分かっているのにそれでも涙がほほを伝ってしまうのは何故だろう?
小説なんです。
フィクションのはずなのに
リアリティがありすぎるんです。
だからこそ、こんな家族が近くにいそうで
誰かを想像しながら
あるいは自分のことを振り返りながら
自分と重ねてしまうから。
痛いところを突いてくる重松節に今回も泣かされました。
親子二人の生活もそうですが、
その二人を温かく見守る周囲の人々の優しさ、厳しさ。
ただの同情ではなくて、本当に人を思いやる心の温かさ。
そんなものを読んでいくうちに感じることが出来た。
またしても、やられましたよ、重松さん。