▼あらすじ
文化祭以後、校内には大河と北村が
付き合っているという噂が流れる。
そんな中、生徒会長選挙の本命と目されていた
北村が突然……グレた。
選挙戦には出馬しないと言い出した彼の真意とは!?
▼感想
亜美に言わせれば「甘え」の一言で
片付けられる、北村がグレた理由。
しかし、大河と竜児は真正面から真摯に
その「甘え」と向き合います。
訳知り顔の「常識」で、上から裁断を下したり、
おためごかしの「思いやり」で誤魔化すことを
二人はよしとしません。
不器用ながらも、自分の気持ちを
真っ直ぐ相手にぶつけていきます。
そして、そんな二人の存在が、北村だけでなく、
その他の常識や建前に縛られた人々の胸を熱く揺さぶり、
ありえない化学反応を次々と起こしていきます。
今回、これまでの“さわやかで快活な優等生”といった
イメージをかなぐり捨て、ひたすら鬱々としていた北村も、
最後にはきちんと問題に決着をつけます。
そして最終的には、決して本音を表に出さないだろう
と思われた「あの人」の等身大の心の叫びまでも
引き出してしまうのです。
息が合ってなさそうで、じつは深いところで通じ合っている
大河と竜児の生み出すグルーブが『とらドラ!』の世界全体を
席巻し、クライマックスまで一気に突き抜けていきます。
ただ、本巻ですっかり「憑物」が落ちた北村とは対照的に、
実乃梨と亜美は、いまだ胸に吐き出せない想いを抱えている模様。
「大河と北村が付き合っている」という噂の発信源は、おそらく
「あの娘」だと思われますが……。
次作では、彼女の「操り」の全貌が明かされるのかどうか。
とても楽しみです。
▼付記
細かい話で恐縮ですが、
「助教授」(47頁)は現在「准教授」なのでは?