「とらドラ」の第2巻には強烈な新キャラクター、とことん性悪な本性を天真爛漫かつ無垢な美少女という外面で覆い隠す二重人格者、川嶋亜美が登場します。
ヒロイン大河のライバルキャラとして登場した亜美のあまりのベタな悪役ぶりに、読み始めた時は正直ちょっと不安でした。心地よい文体や微妙なくすぐりのあるネタの切れ味は健在でも、ストーリーとしてはありきたりなものに墜ちていってしまうのかなと。しかしさすが竹宮ゆゆこはひと味違っていました。
一見よくある話のように見せながら、微妙に定型を外して意表をつくキャラクターや展開はデビュー作以来作者の十八番ですが、今作では亜美の性悪さを一切減じることなく、それでいてキャラクターの魅力は引き出していくという難度の高い試みを易々と達成しています。
「ラブコメディ」というライトノベルの激戦区において、早くもトップクラスになりつつある作者の活躍には今後も期待大です。