『とめはねっ!』待望の二巻も一巻同様の面白さ。
本作では鈴里高校書道部部長ひろみの双子の妹よしみ(鵠沼学園書道部部長)との対決が見所。
「よしみ」が「ひろみ」に一方的に対抗意識を燃やし、両校書道部同士の書道対決、そしてその後の展開へ続いていきます。
部活をテーマにした作品の場合、運動系なら試合が山場。
文化系でも、ブラバン・合唱などは皆で合わせなければならないので、部員同士の諍い、
それを乗り越えての友情などが見せ場になると思います。
一方書道は、と言うと結局個人個人が黙々と書いている、という印象が強いです。
登場人物の一人、書道界の大御所も作中で「書道は別に競争するものではない」「書は元来個人のもの」と言いつつも
対決、団体戦という山場を作ったことが、書道をテーマにしながらも
本作をエンターテインメント性豊かな作品にしているのではないでしょうか。
ただ揮毫パフォーマンスについては、書道経験があっても今は筆を持つことの無い私のような人間が見ると
斬新で、面白く見えますが、真剣に書道に取り組んでいる方にはもしかすると不愉快に映るかもしれません。
書道というマンガとしてはとっつきにくいテーマで勝負する以上、読者の目を引く場面がどうしても必要。
その結果がこのパフォーマンスのエピソードだと思いますが、今後もこのパフォーマンスのような奇策で楽しませてくれるのか、
それとも何か他の手法で奥深い書道の世界を描くのか、今後が楽しみ。
二巻では、主人公・縁の破天荒な父、縁そっくりな祖母、偏屈な筆屋の主人も登場。
脇役の個性が光り、書道に興味が無い方でも思わず笑えるシーンが満載。
勿論、鈴里高校書道部部員の面白さも健在。そんなに多くはないものの、部長ひろみの天然っぷりはツボにはまる面白さ。
そして望月さんのキャラも覚醒の感があります。
ある時は対決に燃える熱い女、ある時は中年を守る正義の味方、そしてまたある時は初恋の思い出を語る女子高生、
と実に様々な表情を見せてくれます。
しかもいつも一生懸命。
望月さんの生き生きとした表情を見ているだけでも全く飽きないです。
軽〜い書道うんちくも随所にちりばめられ、雑学好きにもオススメの一冊。
年賀状の季節に向け、一度は筆を取って何か書いてみたくなる、そんな作品になっています。