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とっておき名短篇 (ちくま文庫)
 
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とっておき名短篇 (ちくま文庫) [文庫]

北村 薫 , 宮部 みゆき
5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

「しかし、よく書いたよね、こんなものを…」と北村薫に言わしめた、とっておきの名短篇!穂村弘「愛の暴走族」、川上弘美「運命の恋人」、戸板康二「酒井妙子のリボン」、深沢七郎「絢爛の椅子」、松本清張「電筆」、大岡昇平「サッコとヴァンゼッティ」、北杜夫「異形」など、目利き二人を唸らせた短篇が勢揃い。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

北村 薫
作家

宮部 みゆき
作家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 355ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2011/1/8)
  • ISBN-10: 4480427929
  • ISBN-13: 978-4480427922
  • 発売日: 2011/1/8
  • 商品の寸法: 14.6 x 10.6 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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7 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ringmoo トップ500レビュアー
北村薫・宮部みゆきのコンビによる「名短篇」のアンソロジーの三冊目です。

今回は、三部構成になっています。
第一部は「愛」をテーマとした短篇集が並んでいます。
「愛の暴走族」(穂村弘)、「ほたるいかに触る」(蜂飼耳)、「運命の恋人」(川上弘美)、「壹越」(塚本邦雄)の四編です。
どの作品も素晴らしいのですが、個人的には「運命の恋人」が、一番印象に残りました。
それにしても、どの短篇もラストの文章が素晴らしい。
やはり短篇の命は、この最後の数行の文章にある様に思います。

第二部は、特集的に挟みこまれた飯田茂実の「一文物語集」です。
ここにとられているのは、108の文章ですが、どれも一味も二味もあって興味深い作品ばかりです。
たった一行で、こんなに物語れるのだとつくづく感心させられました。
いろんな意味で、この本を読んで良かったと思えたのは、この作品の様な気がします。

第三部は、「怖さ」をテーマにしたもので、様々な作品が揃っています。
「酒井妙子のリボン」(戸板康二)、「絢爛の椅子」(深沢七郎)、「報復」(深沢七郎)、「電筆」(松本清張)、「サッコとヴァンゼッティ」(大岡昇平)、「悪魔」(岡田睦)、「異形」(北杜夫)。
どの一編をとっても、唸らされる作品ばかりです。
「酒井妙子のリボン」は、「婦系図」を外国人の目を通して様々に解釈させる話で、男女の問題以上に、そちらに興味深さを覚えました。
「サッコとヴァンゼッティ」は、思想的な偏見が裁判を歪めてしまう話で、現代にも通用すると言う意味で、現実的な「怖さ」を感じました。

いずれにしても、短篇と言う事で、一つ一つの言葉の持つ重要性が高いと言う事もあって、これしかないと言う様な言葉づかいがされており、全く贅肉の無い素晴らしい文章が並んでいました。
この研ぎ澄まされた文章に、読み手も真剣にならざるを得ず、いつも以上に丁寧に読みました。
このレビューは参考になりましたか?
10 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
二人の編者による名短編アンソロジーだが、これには飯田茂実の「一文小説集」が収められている。一文で小説を構成した掌編中の掌編が108あるのだがこれが実にいい。これだけのためにでも買う価値あり、である。
このレビューは参考になりましたか?
12 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 東の風 トップ100レビュアー VINE™ メンバー
 ラスト一頁に戦慄させられた短篇がいくつかあって、その“とんでもなさ”が非常に印象に残りました。深沢七郎の「報酬」、岡田睦の「悪魔」、北杜夫の「異形」の三つの短篇。なかでも、「悪魔」のなめくじを彷彿させる気味悪さ、「異形」の異様に突き抜けた肌触りに、ぞくりとさせられましたね。思いがけない話の着地のさせ方に、「うっ・・・・。なんじゃ、こりゃ?!」と。読後、目が点、口が○(まる)の、呆然自失状態に陥りました。

 文庫巻末に、編者の北村薫と宮部みゆきの「解説対談──しかし、よく書いたよね、こんなものを」(2010年9月28日。山の上ホテルにて)を収めています。で、この対談がめっぽう面白い。<本対談は、作品の内容や結末にも触れておりますので、最後にお読みください。>の注意書きを守って、この巻末対談に行ったんですけどね。「さすが、読み巧者のふたりだけのことはあるなあ」て、あちこちで興趣を誘われましたから。「あ! それは私もそう思った!」とか、「なるほど、そういう受け止め方もできますか」とかいった感じで。

 本文庫の収録作品は、以下のとおり。
  穂村弘「愛の暴走族」
  蜂飼耳「ほたるいかに触る」
  川上弘美「運命の恋人」
  塚本邦雄「壹越(いちこつ)」
  飯田茂実「一文物語集」より『0〜108』
  戸板康二「酒井妙子のリボン」
  深沢七郎「絢爛(けんらん)の椅子」
  深沢七郎「報酬」
  松本清張「電筆」
  大岡昇平「サッコとヴァンゼッティ」
  岡田睦「悪魔」
  北杜夫「異形(いぎょう)」

 なお、摩訶不思議な話のタネを集めたみたいな、不条理で幻想的な雰囲気が曰く言い難い超短編集「一文物語集」は、北村薫さんが紹介しているように、『一文物語集』という本で再刊されるとのこと。これはぜひ、手にとってみたいですね。
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