本書は宮田珠己氏が書いたエッセイをまとめた物である。まずエッセイの題名と結文の対応を幾つか見て頂きたい。
●スチュワーデス=ゾウガメ理論
飛行機なんかやめて、全部ジェットコースターで世界を繋いだらどんなに安心かと思った私である。
●一年一趣味
その姿はとても野性的でナイスだとの噂である。
●ゴージャスなミックスパーマにしましょう
そうだ。日本人よ。つらいときは、ゴージャスなミックスパーマにしましょう
●アムステルダムについて何も知らん紀行
今度こそ迷子になって充実したい。
途中の道のりの紆余曲折が想像出来ます。
展開の読めるの有りました?多分外れてます。
実際、僅か数ページに詰め込まれた起承転転転転転や、独自の係り結びが生み出す変幻自在の論理展開や、半歩外した表現が生み出す緩いテンポや、磨き方を間違えた宝石のような一言一句、などから構成される、これらのエッセイはみな、想像をはるかに越えた展開をします。関係ありませんが、ジェットコースター評論家と呼ばれるだけのことはあります。
次に一つ選んで詳しく…と思ったのですが無理っすね。要約出来るのが無いので、作者自身が要約した一片をどうぞ。
●テレビ出演の真実
本日の要点。男の視線は、顔→胸→尻→匂い→ロリ。
やはり分からないでしょう。煌めきは細部に宿る。宮田氏の文章は一言一句を大事に読まなくてはいけません。
『想像するに、これらの表現は、時には頭を掻きむしり、時には鼻毛を抜きながら、長考に長考を重ねて絞り出そうとした挙句、ふと窓越しに、「猫と目が合った瞬間に思い付いた」みたいな、多分その程度の奇跡的な表現だと思います。』、と書こうと思ったら、最後の最後に、宮田氏自身が創作の秘訣を書いてますね。ま、似た様な感じです。
お暇な時で十分だと思います。タマキングワールド(宮田氏呼称)に一度迷い混んでみられたらいかがでしょうか。