原作小説に於けるクライマックス、「サンタクルス対ビーグル」のドッグファイトをまるっと収録しているのがこの3巻になります。
ファナとシャルルの会話、各々の葛藤は既刊のそれと変わっておらず、原作の雰囲気を表現できているように思えます。
個人的には、ファナが少々可愛らしすぎと言うか、やや幼さを感じさせるようにも思えますが…凛としたイメージを原作で受けた為で、読み手次第なのかなと思います。
また、原作にはなかった天ツ上基地のシーンもあります。まあ、この国はやっぱりそうだよね、としか言えませんが。「ビーグル」の人間的な一面が、短いながらも端的に描かれています。
見せ場である空戦シーンについて。
「夢幻の軍艦大和」や「ジパング」のように、メカの作画や描写は「より詳細に、より本物らしく」というのが増えている昨今、失礼ながらこの作者はメカ描写に長けているとは言い難いかと思います。
しかし、それを忘れさせるほどの緊迫感と、息の詰まるドッグファイトを見せてくれます。天ツ上の新鋭機「真電」は、ある種の人々にとって夢のような飛行機ですが、この「半分架空」の戦闘機が大暴れする様は、絵の是非を問うまでもなく圧巻です。
原作では主観でわかりにくかった、シャルルの持つ資質とでも言うべき物が、わかりやすくプッシュされています。原作に比べると○ースコンバット過ぎる感もありますが、漫画はやり過ぎなくらいで丁度良いと思います。