混血で疎外されていた飛空士が、その腕を買われて一国の命運の鍵を握る任務を受ける。
それは、敵包囲網をかいくぐりながら皇女を無事本国に連れ帰る、というものだった。
ストーリー展開はこの通りでほぼ一本道といっていいでしょう。身分違いの恋を育んでいく二人が主体となっていて、気持ちいいぐらいシンプルにまとまっています。
熱く感じたのが、全行程1万2千キロに及ぶフライト中に繰り広げられた空戦シーンです。多勢に無勢、性能でも劣る絶対的不利な状況でひたすら逃げ惑う主人公。撃墜寸前まで追いつめられること数度、まさしくシューティングゲームで味わったようなスリル感がここにあります。ラスト手前での一対一は読み応え充分で、オチが読めていてもハラハラドキドキでした。
また、お互いの身分ゆえになかなか正直に歩み寄れない二人をもどかしく思うのも一興でしょう。実直で不器用な主人公にはすんなり感情移入でき、葛藤する場面も上手く描かれてます。
このレーベルが創刊されて以来、一、二を争う作品だと思います。