4巻までは非常に楽しめた。
が、この最終巻は正直なところ期待はずれだった。
どうしても「無理やり終わらせた」という印象を拭いきれなかったのだ。
この作品は、とても壮大な物語だ。
『追憶』が実質的に登場人物二人だったのに比べ
最初から大量のキャラクターを登場させ(それこそ人物表が必要なくらいに)
膨大な設定が書きこまれていた。
1巻は人物紹介と設定書きだけで終わったと言っていい。
私はその1巻を夢中で読み返した。この物語の世界に没入した。
2巻も、紙が擦り切れるほど読んだ。
そして3巻で震えた。
4巻で涙した。
4巻を読んだとき、「5巻で完結」というアナウンスがあったため
次で終わりだという覚悟はしていたつもりだ。
正直、短いと思った。
1巻、2巻で設定された物語を消化するためには
最低でも10巻くらいは必要なのではないかと思っていたからだ。
最終巻は、おそらくカルエルとクレアの物語になるだろうと思った。
『追憶』のような、二人だけの物語が待っているものだとばかり思っていた。
だが、最終巻にクレアの出番はほとんど無い。
これはフィナーレというよりも、後日談である。
物語は4巻で終了して、その後の物語がダイジェストで語られている。そう感じた。
無論、『恋歌』は『追憶』とは違う。
過去の作品をなぞる必要は無い。
その意味では、私は勝手に期待して、勝手に裏切られたと感じているだけだろう。
しかし、『追憶』の続編として始めたのであれば
同じような物語を、感動を求めるのが、ファンというものではないだろうか?
過去作品の焼き直しといわれようが、私はそれを読みたかった。
『レヴィアタンの恋人』で一度、悲しい思いをさせられた。
あのときと同じとまではいわないが、やはり寂しくは思う。
次回作に期待します。