出版社/著者からの内容紹介
1974~75年、東アジア反日武装戦線大地の牙を名乗り、三井物産、大成建設、間組(現・ハザマ)などを爆破し、逮捕時に自死した斎藤和(のどか、かずとも通称される)さんの足跡を追った。なぜ企業を爆破したのか、どのような時代状況での闘いであったのか、幼少時からの証言を交えて、その生涯を構成している。30年近い月日を経たからこそ語られる貴重な内容が満載となっている。戦後思想として大地の牙を概観すると、六〇年安保闘争以降のアナキズム直接行動主義の流れと、日本の植民地支配の問題とがそこで邂逅し、発せられた火花はパレスチナ解放闘争へも飛んでいった、と表現することもできる。イラクへの自衛隊派兵をめぐり、日本ナショナリズムが醜悪な相貌を現している《いま》、多くの人に語りかける内容をもった一冊である。
内容(「BOOK」データベースより)
今になってなぜ斎藤和さん、大地の牙なのかという疑問もあるだろう。もっとも大きな理由は、浴田さんが日本に強制送還されたことにより、斎藤さんと大地の牙について公然と語れる人物が現れたからだ。それまでは当事者が不在だったので、語ろうにも語ることができなかった。しかし状況が変わったからには、斎藤さんの姿を歴史の闇に葬り去るのではなく、今後に伝えていくべき記録として本書に留めておきたいと考えた。そして、東アジア反日武装戦線の思想と行動は、今もってその牙を日本および日本人に向け続けているのだ。ソ連・東欧共産圏の消滅、バブル景気とその崩壊をもって、革命への幻想はほとんど終焉した。しかしそれは、東アジア反日武装戦線が突きつけた問題が過去のものになったことをも意味するわけではない。