5畳半の書斎を持って16年になる。周囲の壁は1万冊を越える本で埋まっている。ノートパソコン、プリンター、スキャナーなどの電子機器と机、積み上げられたコンテナボックスには読み終えた本が入っている。この書斎で、私は毎日数時間を過ごす。本を読んだり、音楽を聴いたり、パソコンで原稿を書いたり、メールをチェックしたり、映画を見たり、リラックスしたりと、一人の時間と孤独を楽しんでいる。この書斎がなかったら、私は知的好奇心や知的欲求を十分に満たすことはできず、今よりもずいぶん質の低い生活に甘んじていただろう。
本書には、いわゆる「できる」人の書斎活用法から、一般人の書斎確保とその活用まで、様々な事例が載っている。寺島実郎、新井満ら4人の達人の書斎観は刺激的で、新井の「孤独になれることが、何よりの効用だ」という言葉には思わず首肯してしまう。人は孤独の中で成長するのであり、その成長の場を書斎は保証する。一般の人々の書斎活用の事例もバラエティーに富んでおり、工夫しながら書斎を確保している様子が見えて楽しい。
欲を言えば、「これが理想の書斎だ」という話や情報化時代の書斎術についての新しい提言を読んでみたかった。