◎ 内容紹介
地球が誕生したのが46億年前。そこから最初の生命が発生するまでに
およそ10億年が経過した。そして生命が現れてからさらに10億年、
この間、生物の性は単一で、すべてがメスだった。
(本文より)
<生命の基本仕様>----それは女である。
本来、すべての生物はまずメスとして発生する。
メスは太くて強い縦糸であり、オスは、メスの系譜を時々橋渡しし、
細い横糸の役割を果たす「使い走り」に過ぎない----。
分子生物学が明らかにした、男を男たらしめる「秘密の鍵」。
SRY遺伝子の発見をめぐる、研究者たちの白熱したレースと
駆け引きの息吹を伝えながら
≪女と男≫の≪本当の関係≫に迫る、あざやかな考察。
◎ 目 次
プロローグ
第 一 章 見えないものを見た男
第 二 章 男の秘密を覗いた女
第 三 章 匂いのない匂い
第 四 章 誤認逮捕
第 五 章 SRY遺伝子
第 六 章 ミュラー博士とウォルフ博士
第 七 章 アリマキ的人生
第 八 章 弱きもの、汝の名は男なり
第 九 章 Yの旅路
第 十 章 ハーバードの星
第 十一 章 余剰の起源
エピローグ
◎ プロフィール
福岡伸一(ふくおかしんいち)
1959年東京都生まれ。京都大学卒業。ロックフェラー大学およびハーバード大学研究員、京都大学助教授を経て、青山学院大学理工学部化学・生命科学科教授。専攻は分子生物学。著書に『プリオン説はほんとうか?』(講談社ブルーバックス、講談社出版文化賞科学出版賞受賞)、『ロハスの思考』(木楽舍ソトコト新書)、『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書、サントリー学芸賞受賞)、『生命と食』(岩波ブックレット)などがある。2006年、第一回科学ジャーナリスト賞受賞。
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最も参考になったカスタマーレビュー
139 人中、116人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
小説としては素晴らしいが。,
By いとみみず (田んぼとかにいます) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: できそこないの男たち (光文社新書) (新書)
前半は本人の研究者としてのエピソードも交えながら、SRYの特定に至るノンフィクション科学小説といったノリだ。流れるように進むエピソードは魅力的で、小説かに転身した方がいいと思わせるほど素晴らしい。
後半の3割程度は性の生物学的な議論に移る。素晴らしい前半とうってかわってここのデキは良くない。科学的な論述のはずかポエム的な表現とまじって不正確な印象を与える。出典不明なため確認できないが間違った記述もある。たとえばmtDNAの共通祖先とY染色体の共通祖先は倍近く時代が異なるはずで、同時代ではありえない。 オスとメスの存在は配偶子の非対称的な軍拡競争の結果と考えられており、同時に誕生したはずで、メスがオスを作ったという表現は不正確だろう。「オスは少数でも役割を果たせる」といいつつ、なぜ実際には少数ではないかを説明していないが、これはフィッシャーの原理と言って進化生物学では極めて重要な(しかもかなりシンプルな)理論だ。説明を飛ばすべきではなかったと思う。男性が短命な至近因をテストステロン暴露で説明するのはごく普通だが、ではそもそもなぜ男性だけがそういう目に会うのかという進化因には触れていない。 フィッシャーの原理やテストステロン暴露の進化的な意義を説明するとなると(福岡氏が好んでいない)自然選択にどうしても触れざるを得ないからではないだろうか。しかし進化因に触れていないために「たまたまY染色体を持ったから男性が短命なのだ」というような説明になっていない説明でお茶を濁すはめになっている。実際の進化理論はそんなに単純ではない。性の進化の研究に生涯を捧げてきた先人たちの努力を無視しているのはいただけない。 福岡氏は通俗的な説明(ドーキンスの比喩表現や話題の脱線、竹内久美子など)を誤解を招くといって度々批判してきた。後半で彼が行っている性の説明はそれ以上に通俗的かつ不正確で、いくら新書とはいえ残念なレベルだ。
69 人中、49人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 2.0
杞憂であれと祈念中:再,
By
レビュー対象商品: できそこないの男たち (光文社新書) (新書)
生物の性決定に関わる遺伝子の特定についての激しい研究ドラマと、そこからの発見に関連して、生物
の基本仕様が「女」であるとかの分子生物学おもしろ話し。 基本的には、興味深く、おもしろく読めると思います。 おもしろく読める、とは思うのですが・・・ 以下、あくまで個人的な見解です。 かなり危ういという印象。もしかしたら、得難たかったサイエンス・ライターの現在進行形の「劣化」を、私た ちは目の当たりにしているのかも知れません。 『もう牛を食べても安心か』、『プリオン説はほんとうか?』の頃は、具体的な研究のアウトプットの基礎とな る理屈(物的に構造化された相互関係の探求)について、実験の設計や実験そのものの技術的な可能 性評価、および実験結果の評価に、どう適用していくのか確実ではない部分が多いようにも思われ、激し く保留ながらも、好印象でした。 大ベストセラーである『生物と無生物のあいだ』で、ずいぶん余計な記述が増加したなと思いました。 そして本書。 人によって、かえってそれが好ましい場合もあるのかもしれないけれど、ところどころ挿入される「文学的」な 接ぎ穂や比喩を削除したら、分量的には 1/3 くらいに収まるのでは?挿入される接ぎ穂や比喩が「文学 的」だ、といった具合にメインの記載内容から“浮いている”ように思える点で、すでにかなり厳しいかと。 勘所のDNAを百科事典に喩えている部分は、ものすごく冗長だし、さすがにド文系な読者にとっても、こん な比喩はいらないのでは? どうにも、かなり微妙な読後感。 さらに追記すれば、生物学的な事実について判断はできないけれども、そうした事実を、社会的な言説 レベルで、どう解釈するかは別問題。“浮いている”ように思える「文学的」な接ぎ穂や比喩は、その意味 でも、かなりの危うさを感じます。 私の方がバカなんであって、現在進行形の「劣化」なんつーもんは杞憂に終わることを、マジで祈り中。
86 人中、59人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 2.0
才子 才に倒れる,
By
レビュー対象商品: できそこないの男たち (光文社新書) (新書)
非常に興味深い題材を扱いながら、読後感は決してよくない。科学に弱い読者へのサービスのつもりなのかもしれないが、たとえ話が回りくどく、反って話の筋を見えにくくしている部分がある。また、最終章は本題と直接関係のないゴシップ記事が延々と続く。絵に描いたような蛇足といえ、この本全体の信頼性を疑わせることになった。もっと自然で客観的な文章を心がければよい本になったと思えるだけに残念である。
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最近のカスタマーレビュー
5つ星のうち 1.0
今更ながら腹が立つ
福岡先生。 今回の東日本大震災、先生が仰る多くの“できそこない”の男達が命がけで頑張っております。... 続きを読む
投稿日: 10か月前 投稿者: ぶりぶり
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