「てれんぱれん」とは、何となくぶらぶらしていて、怠けている人を避難するときに使う言葉だそうです。
主人公の父は母に「てれんぱれんしとらんと」と叱り飛ばされるような頼りない人だったのですが、原爆の後遺症を心身共にかかえている人で、『けれんぱれんさん』と呼んでいる霊を見ることのできる人だったのです。
自分の人生が災い転じて福となすというようなものだったと述懐する主人公ですが、父と二人だけの秘密をずうっとかかえていて、小学生の頃住んでいた土地に戻ってくると、「ニラ焼き屋のよっちゃん」と主人公を呼ぶ老婦人に出会い……、
と、あらすじを辿ってみても、なかなか一言ではいいつくせなく、複雑に物語が絡み合っています。最後は、無力なようでいて、希望が見える展開なのですが……。あまりにも静かすぎる気がしました。