タイトルにも登場の照子は岩田春男の妻。春男が復員し、大阪池田市でアメリカ仕込みのパン工場を始めたころから、照子の強烈な個性が発揮される。池田市で初のテレビ喫茶を開き、4人の娘のうち長女にフィギュアスケートの才能があると知るや一流コーチにつかせ、次女にタレント的能力があると判断するや舞台に立たせる。天啓にも似たひらめきと夢を孕んだ上昇志向は、娘たちをやがてオリンピック選手や大スターの地位へ押し上げるに至る。
背景である昭和半ばという時代は、戦争の傷跡を覆ってさらに未来を信じ、豊かさを率直に求めることのできた時代だったのだということが、よく理解される。かたや会話だけでなく地の文にも大阪弁があふれ、そのテンポの良さがストーリー展開の軽快さを促す。そして照子のエネルギッシュさとは裏腹の、穏やかでのほほんとした春男の飄逸(ひょういつ)さが妙に心地よい。惜しむらくは長女次女に比べて下の2人の姉妹の陰が薄く、家族全体のダイナミズムとして描かれなかったことだろう。
岩田家のモデルは、著者なかにし礼の妻の家族。次女は女優のいしだあゆみである。(松平盟子) --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
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5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
戦後の池田市が活き活きと描かれる,
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レビュー対象商品: てるてる坊主の照子さん〈上〉 (新潮文庫) (文庫)
主人公の照子さんは、女優いしだあゆみさんの母親がモデルなのだそうですが、なんとも元気で勢いのある方だったようです。パン屋から、テレビ喫茶を流行らせ、梅田に進出していくあたりも凄いですが、そこから娘二人をフィギュアスケートの選手に育てるところも、今でいう教育ママ、もしくはステージ・ママのように気合が入っています。戦後の混乱期をものともせず、娘達を叱咤激励しながら育てていく姿は、感動的でさえあります。全体として、1冊目は、NHKテレビドラマでもほぼ忠実に再現されていたような気がしました。
3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
読んで損なし!,
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レビュー対象商品: てるてる坊主の照子さん 上 (単行本)
テンポが良くて、すらすら読みました。上下巻で買っておいたほうがいいです。 NHK朝の連続テレビ小説になりそうな話で、母の愛、娘の夢を中心に話は進み、家族で夢とともに時代にのって駆けていくような話です。 読後感もよく、何か胸に残るような気がしました。
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
NHK朝の連続テレビ小説,
By 太郎 (栃木) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: てるてる坊主の照子さん〈上〉 (新潮文庫) (文庫)
大阪の典型的楽天一家【岩田家】を描いた現在NHK朝の連ドラの原作です。楽天的な父、無鉄砲だけど明るく憎めないキャラの母、美人で個性的な4姉妹を軽快に描いています。上、中、下と三部作になりますがすらすらとテレビを見ているかの様に読み終わりました。
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