手って、単なる体の一部じゃない。声を大きくするメガフォンの役目、リズムを生み出す楽器の役目、そして点字を読む読書の力だってある。そうした手の役割を分かりやすく伝えるだけでも、十分絵本として成立したかもしれない。
でも絵本の最後の言葉は、「もしかしたら ては こころが でたり はいったり するところ なのかもしれない」。このあたたかいメッセージが、絵本のあちこちに満ち溢れている。握手をすれば、仲直りの気持ちが伝わる。傷ついた人の手を両手で包めば、心を癒すあたたかい力が伝わる。そう、手は、心と心をつなぐ大切なもの。そのことが、いろいろな形であたたかく伝わってくる。
でもこの絵本、魅力はそれだけじゃないんだな。ちょっとした遊び心も、いっぱいいっぱい隠れている。背表紙で描かれている2人を、絵本のあちこちでさがしてごらん。・・・ほら、ここにも「あたたかい心と心のつながり」が見えてくるはず。