名作ぞろいだがやはり冒頭の「デューク」が際立っている。私自身が愛犬家というのもあるかも知れないが、たった8ページでここまで感動できた短編を他に知らない。愛犬であり、恋人でもあったデュークが死んだ次の日、私は不思議な少年と出会う。その少年の正体は・・・。ある程度途中で分かってしまうのだが、それでも最後は涙しそうになってしまった。全文にあふれる文章のうまさ、センス、優しさ・・・、神業である。細かい句読点の位置から段落を変えたり台詞を挿入するタイミングまで、完璧な美しさを持っている。大学のセンター試験に出題されたのもうなずける。それでいて、すべてを語ることなく真実を読者に伝える方法のうまさ。本からあふれてきそうななんとも言えない哀愁。まさにパーフェクト。5分たらずで読了可能でこの感動を味わえるのはなんと贅沢なことだろう。これだから読書はやめられない。