作者は「外科医有森・・・」シリーズで有名な脚本家でもあるためか、病人の心理描写がとても上手である。私は建築家なのだが、この本の中で「どうして住宅は健康であることを基本に造られているのだろうか」という記述がありドキリとさせられた。ただ、主人公陶子のアルツハイマー病に加えて、行きずりの男や、幼なじみの珠美と亭主の浮気、息子の結婚や破談(?)、おまけに飛行機事故まで、少し伏線の話を入れすぎではないだろうか。脚本家なのでTVドラマであれば こういう「なんでもあり展開」はおもしろいかもしれないが、もう少し的を絞った方が良かった気がする。