出版社/著者からの内容紹介
内容(「BOOK」データベースより)
著者について
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
1954(昭和29)年東京都生まれ。東京大学理学部化学科卒、同修士課程修了。司法試験合格後、判事補を経て96年判事任官、06年退官、07年弁護士登録(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
抜粋
裁判員制度は、平成二一年までに実施されることになっています。今、全国の裁判所では、それに向けた準備に追われています。マスコミでも、裁判員制度に関する報道が増加してきました。この制度は、これまで裁判官だけが裁判所を構成してきたやり方を改め、一般国民から無作為抽出した人を裁判員と名付けて裁判官とともに、裁判所の構成に入れる点に特徴があります。
ところが、この制度には、重大な欠陥があって実施は許されません。その欠陥とは、裁判員が参加した裁判所は、法律に基づく裁判ができないという重大な憲法違反があることです。国の最高法規である憲法に違反する制度を実施すべきではないのです。
さらに、内閣府の世論調査によると、国民の八割は裁判員制度に拒絶反応を示しています。その他、裁判員制度には、無数の欠陥があって、総合すると、多少の手直しで実施できる制度ではありません。廃止以外に選択肢はないのです。
私は、二〇年の裁判官の経歴のうちの半分は、刑事裁判を担当してきました。その経験に照らし、良心に誓って言います。裁判員制度の下では、法律を知らない裁判員によってどんな判決が出てくるかもしれず、裁判所は人権の砦としての役割を果たすことができなくなってしまいます。つまり、裁判員制度は、司法改革という狭い範囲で善し悪しを議論しているだけでは足りません。もっと広く、国政全般のあり方、国民の人権が有名無実化するのを黙って見ていてよいのかといった観点から総合的に検討すべきなのです。
本書は、こういう観点から裁判員制度を検討し、その廃止を要求するものです。本書だけで国家制度を左右するのは困難かもしれません。しかし、本書がそのきっかけとなることはできるはずです。
裁判員制度を廃止するかどうかは、最終的には主権者である国民の力にかかっています。国民の皆さん、さあ、本書で裁判員制度の重大な欠陥を知り、その廃止のバスに乗り遅れないようにして下さい。