つしまみれ約1年ぶりのリリース、今作もミニアルバム。
着実なライブ活動と、観客の度肝を抜くパフォーマンスでじわじわと浸透中。
正直、ドカンときて欲しいとも思うけどまあ聴き手を選ぶ音楽だろうし
そこまで期待するのも酷かな、と。ただ一度好きになったら聴き続けてしまう中毒性があると思う。
「創造妊娠」「脳みそショートケーキ」とぶっとんだロック・アルバムを制作してきたつしまみれ。
今作もその延長線上で特に変わった点はないけれど、一つ思ったのは前作がポップに傾いた作品だとしたら
今作はコアな部分を押し広げた作品であると思う。だからキャッチーさには欠けると思うけど
何度も聴いてるとだんだんこの世界観が楽しく思えてくる。 今までのつしまみれの作品のなかではスルメ的な側面を持つ作品かな。
今作も非常にバリエーションに富んだソングライティングを堪能できる。
作曲のクレジットがバンド名になってるけど、もはやこれはバンドの性格なのか、
同じような曲、雰囲気が被ってる曲が一つも入ってないのは単純に凄い。
この雑多性は間違いなくこのバンドの武器だ。どんな曲でもやれる、歌える。それをこなす演奏力がある。
「おじいちゃんのおズボン」みたいな狂気と悲しみを感じさせる曲や
「ミから出たサビ」「さくらんボーイ」のような直球の下ネタパンク&ポップナンバーがあったり
「スムージー飲むヒツジ」のような美メロを歌い上げる曲もあり(この曲は唯一キャッチーかな?CMでも使われてたし)。
ミニアルバムなのにフルアルバムを聴いたかのような手ごたえ。ありとあらゆるタイプの楽曲を確かな演奏力で肉付けしている。
はっきりいってしまえば、こんなにきれいで、端正なボーカルとしっかりしたバンドのアンサンブルがあれば
いくらでも売る方法はあると思う。単純に歌詞をみんなが好きそうな、甘い恋の歌にして
サウンドも耳なじみのいいものにすれば今すぐにでも火がつきそうだ。要は八方美人なスタイルに変化すれば
すぐにでも売れそうなポテンシャルのバンドである、と思う。
それなのにこういった振り切れた、八方美人の欠片もない方向性に進むという選択肢はかなり痛快だし、痺れる。
まだまだインパクト先行バンドとして観られてるかもしれないけど、この表現を突き詰めていけばどんどん評価されていきそう。
個人的には前作の方がメロディがいいなー、と思ったので星は4つにしたけど
全然快作として、ノリノリで聴ける作品になったと思います。次はフルアルバムが聴きたいな!