映画館で観ました。とても感動して、2回映画館に観に行きました。美しくて、そうして、とても切ない気持ちにさせられる作品です。原作も買って読みました(残念ながら、上巻で挫折してしまいましたけれども…(笑))。
晩年に、大作家となった主人公(?)のブライオニーが、自伝とも受け取れる自身最後の小説についてのインタビューを受け、その問い掛けに対して独白するかの様な形で物語は幕を閉じていきます。
果たして、この作品を書き上げた事が、彼女にとっての償いになったのだろうか?…と言うのは、この映画を観る度に僕が感じる疑問です。
「不幸な二人の現実を、ありのままに描く事によって読者はそこから何か得るものが有るのでしょうか?否、何も無い。だから、私は幸せに結ばれた二人を描きたかったのです…」と彼女は独白しますが、多分、それは読者に対してと言うよりは、彼女自身の希望からと言ったほうが正確なのかも知れません。
せめて小説の中で、空想の思いの中でだけでも、愛する二人を結ばせてあげる事が、唯一残された彼女に出来る唯一つの“償い”と言えるのでしょうから…。
そうして、それでも彼女は悔恨と贖罪の念に苛まれ続けるのでしょう。例えそれが、幼さから来る無知と、自身も気づいて居なかった激しい嫉妬心から生まれた、他愛も無い思い込みであったのだとしても…。
それでも彼女は、悔恨と贖罪の念に苛まれ続けるのでしょう。記憶によって確立されていた筈の彼女自身が崩壊して、その痕跡が跡形も無く無くなってしまう迄は…。
この作品を観てから、キーラ・ナイトレイの大ファンになりました。物語の序盤、彼女が演じるセシーリアと、ジェームズ・マカヴォイ演じるロビーの抱擁が激しく官能的であればある程、突然襲い来る中盤以降の悲劇が、とても劇的でやるせないものへと変化して行きます。
軍人と看護士となった2人が、僅かな時間レストランで再会し別れるシーンが、叙情的で、とても感動的でした。時系列を逆転させたり、現実と空想とを混在させたりした脚本・演出が、作品をより効果的に観せていた様に思います。
これだけ素晴らしい映像が廉価版で発売されるのは嬉しい限りですが、Blu−rayのピクチャーディスクのデザインがダサいのは少々気になりました。
まあ、色々と書きましたが、作品はアカデミー賞7部門にノミネートされた程の間違いなく素晴らしい五つ星です。美しく切ない愛の物語を、是非ご堪能下さい。