邪馬台国論争やら旧石器捏造事件やら、
マスコミが中心になって作られつつある古代史について、
いろいろ述べた本。
古代史の研究の費用はおおむね税金から出ているでしょうから、
国民の意見を無視するわけにはいかない。
なので、マスコミが面白おかしく書けて、国民が「納得する」成果を出すことが求められます。
ですが、真実を追及する学問の立場からしてみれば、
それは苦々しいことといえるでしょう。
そういう立場から、現在広まっている古代史について、解説を行ったものです。
さすがに旧石器の捏造については、
石器を埋める写真というセンセーショナルなものが出てきただけあって、
あっという間に国民も真実に納得せざるを得ませんでしたが。
邪馬台国に関してはそれだけの派手な暴露はされていないので、
いろいろ問題が残っているようですねえ。
マスコミ受けする派手な成果だけを信じてはいけないようで。
その辺について、実際の争点がどこにあるかをしっかりと書いてありますね。
ほか、東日流外三郡誌やら聖徳太子はいなかった説やら謎の4世紀やら、
古代史のなぞについて、比較的客観的な姿を解説してくれる良い本ですね。
とはいえまあ。
マスコミの言うことが信用できないといって、
それに反対している本が正しいとは限らないわけですが。
内容を見ると、著者の意見と事実をきっちり分けて両方書いている部分が多いので、
少なくともそれがごっちゃにされている本よりは信用できるのではないでしょうか。
あとまあ、著者のと学会系の本を見慣れている人からすると、
ちょっと舌鋒鋭さが足りない感じもするかもしれません。