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つくられた桂離宮神話 (講談社学術文庫)
 
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つくられた桂離宮神話 (講談社学術文庫) [文庫]

井上 章一
5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

商品の説明

第8回(1986年) サントリー学芸賞・芸術・文学部門受賞

出版社/著者からの内容紹介

〈桂離宮の発見者〉とされるドイツの建築家ブルーノ・タウトは1933年に来日、翌年「ニッポン」を刊行し、簡素な日本美の象徴として桂離宮を絶讃した。著者は、タウトに始まる桂離宮の神格化が、戦時体制の進行にともなうナショナリズムの高揚と、建築界のモダニズム運動の勃興を背景に、周到に仕組まれた虚構であったことを豊富な資料によって実証する。社会史の手法で通説を覆した画期的日本文化論。


登録情報

  • 文庫: 282ページ
  • 出版社: 講談社 (1997/1/10)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4061592645
  • ISBN-13: 978-4061592643
  • 発売日: 1997/1/10
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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19 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
歴史の学術書は、基本的に、その分野の知識がないと読めない。

読んでいてつまらない。それが当然だ。

しかし、本書は、読ませる。「桂離宮」なんか知らなくても読める。

こんな本はなかなか無い。

私は小谷野氏「評論家入門」の推薦にしたがって読んだが、

氏も言う、学術的な水準は一向に落とさずに、

商用(ジャーナリズム)にも応えている、という意味が分かった。
このレビューは参考になりましたか?
5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 倒錯委員長 トップ500レビュアー
形式:文庫
この著者の井上章一さんは、前にラブホテルという性愛空間が戦後日本においていかにして構築されたか、その言説を追った『愛の空間 (角川選書)』という本を読んだことがある。綿密で禁欲的な言説史の研究は、ラブホテルという軽い題材でありながらも、読ませるものであった。
その研究スタイルは本書でも健在。この本は、桂離宮という立派な古典建築を扱いながらも、建築という専門分野にはとどまらない。本書のテーマは桂離宮ではなく、桂離宮という建築の美的評価にまつわる「ディスクール」である。
ディスクール(言説)とは、複数の解釈が重ねられていく内に、それが現実に先行していくという現象を指す。人間誰しもが時に陥る、偏見や作為的なものの見方。それが積もり積もって、一つの確固とした現実として縁取られていく、その過程を本書は描く。

高評価に含まれる一種の偏見を解きほぐしているため、一見この本は桂離宮という建築物を愚弄しているようにも受け取られかねない。筆者自身もあとがきでそのことに触れ、真っ先に否定している。
たしかに、言説によってその学術的、美的評価が増殖してはいるのかもしれない。しかしどちらにしろ、戦後から拝観の制限がゆるくなり、一般大衆にとっての京都の一大観光名所として桂離宮が盛況したというのは「事実」であり、さらに簡素な構造をモダニストの建築家にもてはやされる一方で、新御殿やその他の装飾的な部分をポストモダニストやその他の建築家によって評価されたということもまた、覆しがたい「事実」なのである。
同じ建物であるのに、そのように全く両極端の陣営から評価されること。桂離宮には、まるで女性でいうところの「コケットリー」(媚態)のような妖艶でミステリアスな魅力が備わっているようである。
まだ写真でしか見たことないけど。
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8 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
誰もが賞賛するものが自分にはピンとこない、っていうことは誰にでも多少は経験があると思います。著者はやはり誰もが手放しで褒めちぎる桂離宮に対して感銘を受けなかったことをきっかけとして果たしてこの建築物がどのように賞賛を得ていったのか、丁寧に文献をたどって行きます。そこは非常に丁寧なので、論文を読んでいるような、逆に言えばちょっと気楽に読めるわけでない箇所もあります。

日本人の西洋人に対するコンプレックスや、観光文化との関連などいろいろな要素が絡んで桂離宮の評価に影響していったことは大変興味深く、非常に意義のある著書であると思います。

本書が建築史学会から黙殺された経緯を文庫版あとがきに書いてありますが、これがまたオモシロイ!
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