「暴君」煬帝と、「名君」太宗は似ている!
というのが、この著作の主な趣旨だと思う。
ともに人並み外れた才気と覇気をもち、人並み外れた野心と欲望を持ち、
ともに肉親を殺して帝位につき、
無謀な外征(高句麗遠征)と女色で生涯なり晩節なりを汚した。
加えて言うなら、出自も陳寅格氏のいう「関隴集団」に由来する。
そこまでは非常に納得したのだけれど、
ただ一点、そうなのかな?違うんじゃないのと、
振り払らえない部分もあった。
要は太宗・李世民の方が、より「我慢した」んじゃないの?ということ。
太宗の名君ぶりを修正しようとする人に共通する、
「改竄しやがってこの野郎!」
という意識が過剰じゃないかな、というのが率直な感想でした。
もちろん改竄は彼の最大の汚点だし、
情状酌量しすぎる必要はないのだけれど…
ただ煬帝と比べれば、人に悪く言われたくないと我慢した分偉いんじゃないかと、そう思う訳です。
(その結果もたらされた安全保障の、我々大衆の祖先にとっても)
多分、太宗の方が人の目を気にするタイプで、
「名君と誉め称えられたい」要望が強い人だったと思うのです。
(だから俗物、その程度の名君だ、という論理はありうると思います)
その辺は『貞観政要の政治学』という著作も読めば、自分なりのバランスが保てるかと。
以上、あえて(主観による)ケチを付けましたが、
スリリングな知見を得られた著作であることは確かです。
ありがとうございました。
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と書きかけたうえ、気をきかせて上記『貞観政要の政治学』のAmazonページをリンクしようとして愕然としました。
…こちらも布目先生の著作だったのですね。
http://www.amazon.co.jp/%E3%80%8C%E8%B2%9E%E8%A6%B3%E6%94%BF%E8%A6%81%E3%80%8D%E3%81%AE%E6%94%BF%E6%B2%BB%E5%AD%A6-%E5%90%8C%E6%99%82%E4%BB%A3%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%AA%E3%83%BC-329-%E5%B8%83%E7%9B%AE-%E6%BD%AE%E3%83%95%E3%82%A6/dp/4002603296
恥さらしのレビューを公開しないのが一番の手と思いますが、
あまりの恥ずかしさに動揺したので晒しときます。
あの、ですね、おもしろかったです…