伝統的な怪談の構造は、最後に落とす。
つまりオチを付けることに尽きる。
実話系怪談はそのオチが必ずしも存在しないところに新しさがあった。
本作は投稿作品で構成されている短編集。
それぞれの作品に、
最後のオチへのこだわりが観られる。
実話も混じっている(はずだ)が、基本的に創作。
エンディングへのこだわり、
物語の終焉(あるいは広がり)へのストーリーの流れが読みどころだと思う。
阿刀田氏の評価も物語、文学としての表現への指向性や品質を基準にしており、
最近の怪談メインストリートの都市伝説的テーマ性、不条理性への傾倒とは、
明らかに異なる。
そういう点で「古い」タイプの怪談なのだが、
それはそれで楽しめる。
端的に古典的なのである。
「猿の手」を連想した「猫の海岸」、
ユーモアを交えた「夜の教室の亡霊」などお勧めである。