日本のジャズロックもここまで来たか…と痛感させられる1枚。このようなバンドがいた事を最近まで知らなかった自分が恥ずかしくなる。インディーズから登場したバンドらしい活きの良さと疾風感は「見事」の一言に尽きる。PE'Zに似たタイプのバンドは他にもいるが、それらと決定的に違う点は、このバンドにはサウンドを仕切る“司令塔”がキチンといる事だ。その役割を担っているのはキーボードである。確かに各楽曲のメイン・パートはサックスやトランペットなどの管楽器が担当しており、またサウンドにメリハリをつけるために強めに録られているテンションの高いドラムが印象的だが、このバンドの楽曲は全てにおいて鍵盤を軸に据えてアレンジを構築しているようだ。時にはフロントに出てソロを執ったりするものの、全体的には脇役に徹したプレイが多い。しかしその鍵盤の“出る・引く”という動きを軸にしながら主旋律も含めた全体のアレンジが構築されていて、そこがまたニクらしい老獪さである。なかなか頭のいいミュージシャンだなと感心してしまった。ピアノのテクニックもかなりしっかりしており、どちらかと言うとヨーロッパのジャズ・ピアニストからの影響を強く感じるが、その一方でハモンドの使い方などは70年代のブリティッシュ・ロックからの影響もあるように感じる。このバンドの音楽は、閉塞した日本の市場よりも最初から世界を相手にした方が絶対に向いている。その方が絶対に成功は早いだろう。これはかなり期待の持てる、「日本の秘密兵器」的ジャズロック・バンドである。「春疾風〜ハルハヤテ〜」の疾風感は特に圧巻!!