短編集。表題の「つきまとわれて」はストーカー的内容だが、短編でありながらどんでん返しが2度盛り込まれている。つまり構築がしっかりとした作品で、その意外性が面白い。「逢ふを待つ間に」はパソコンゲームを駆使した物語で、なかなか現代的だ。「生霊」は源氏物語の生霊話から物語が始まり、古事や古典を愛する著者らしい作品だ。
それぞれの短編は微妙な連携を保っており、登場人物が複数の作品に登場したりする。そのため、短編集でありながら、書籍全体としての統一感もある。ただ、それぞれの作品としての面白さには少々ムラがあるのは避けられない。
著者の「よもつひらさか」「蛇神シリーズ」「いつもの朝に」といった作品に比べて、少々の物足りなさを感じた。しかし、それでも面白い。