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おもしろい作品に間違いはないんですが、1つ気になったのが本須和くんの女性経験の少なさです。他のパソコンにはできて、ちいにはできないことや自分の子供を作れないことの重要性を、作品を読む上では童貞っぽい彼は本当に理解できているのか。普通の人間の女の子と付き合って、多少なり経験を積んだ上で最後のあのセリフを言ってくれたら、もっと真実味が増したんじゃないかと。なんてことを考えつく自体、ちいというキャラクターや他の心優しい登場人物が作りだすこの作品に魅了されているからこそなんでしょうね。
そのシチュエーションにおける植田店長の発言の中に、別の意味で印象的なものがありました。パソコンの記憶に関することです。人は時間をかければ心の痛みを乗り越えていけるけれども、パソコンはどんな記憶も自分では消すことができず、いつまでも鮮明に覚えているしかない。逆に、どんなに覚えておきたい思い出でも、外からリセットされたらきれいさっぱり消えてしまう、と。リセットによって「直ちに」痛みを忘れられるのはいいことか悪いことか、これ自体4巻のあたりから出て来ていた問題ですが、自分の意志でなく外からの操作でリセットされるというのはうれしくないことだと、ここではっきりと結論が示されたように思いました。
1つの場面に複合的に複数の問いかけが描かれていたりもします。よく読めば読むほど、いろんなことを考えさせられるように思います。
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