私が津田先生の作品を読み始めたのは10年以上前のことになります。
今までいろんな作家さんの漫画を読みましたが、未だに新刊が出る度に購入するのは津田先生の作品だけになりました。
読み始めたきっかけはもちろん“カレカノ”だったのですが、連載当時から津田先生の描くシリアス展開を好んでいました。
今回の第4巻では、本来シリアス展開で本領発揮される津田先生のある表情を垣間見ることができます。
他の方のレビューにもありますように、“ちょっと江戸まで”はコメディー路線に合わせて絵柄が少し可愛くされています。その中で是非注目していただきたいのが、4巻2話目に収録されている“第十九話 心の花”という話です。この話の中心人物である絵師の圭次の表情(P55)がもう堪りません!
ベテラン作家である津田先生にこんなことを申し上げるのは失礼極まりないですが、津田先生は嬉しさ、恥ずかしさ、いじらしさ、もどかしさ、切なさ、哀しさ…様々な感情が綯い交ぜになったときの表情をお描きになるのが本当にお上手です。
“カレカノ”のシリアス展開を楽しみにしていたのもこのあたりに原因があるんですが、今回は本当に不意打ちでした。こういった表情を描ける作家さんは数年前に比べて漫画雑誌が増えた最近では本当に貴重な存在ではないでしょうか。
この55ページの表情を見ることができただけで、420円払う価値は十分にあります。